幸せはきっと僕の手の中に…

39話 ページ39

…胸元に落ちてくる、健太くんのシルバーのネックレスが冷たくて…あたしは思わず身体を固くする…

…こんなにも近くに健太くんがいるんだって思うと…ドキドキが…止まらない…！

…小さい風が吹いて…健太くんの唇が、あたしの唇に触れる…！

…そう思った時…！

健太姉｢健太〜？帰って来てるの〜？｣

…あたし達は、そのまま…かたまった…笑
…そして、慌ててその場から起き上がる…！

階段を上る音とともに、部屋のドアが開いて…人懐っこい瞳で笑う、お姉さんの顔が覗いた。

健太｢ねーちゃん！勝手に入ってくんなよ!!｣

健太姉｢いーじゃないのよ！…あ、健太の姉です♪よろしくね〜♪｣

不機嫌そうな健太くんとは対称的に、お姉さんは満面の笑みであたしに笑いかける。

あたしも思わず立ち上がり、お姉さんにペコリと頭を下げた…！

A｢お留守中にお邪魔して、すみません！こちらこそ、よろしくお願いします！｣←カタイ…笑

そんなあたしを見て、お姉さんはびっくりしてるみたい…？

健太姉｢…はぁ〜、今どき珍しい礼儀正しい子だね〜♪…健太には、もったいないんじゃないの〜？｣

健太｢…るっせーなっ!!｣
お姉さんに肘でつつかれ、顔を赤くする健太くん…なんだか、子供みたい…笑

健太姉｢じゃ、すぐ夕飯にするからね！待っててね〜♪｣

A｢あっ！あたしも手伝います…！｣

…お姉さんに続いて、健太くんと一緒に階段を降りながら…あたしは健太くんの横顔を思わず見つめる…

…あたしに見つめられて、恥ずかしそうに俯く…健太くん…←笑

…だけど…
健太くんの手が、一瞬…あたしの手に、優しく触れた…！
二人だけの秘密の合図みたいで、なんだか…ドキドキしちゃう…

…高鳴る胸の鼓動を抑えながら、あたしはお姉さんと一緒に夕飯の準備を始めた。

…30分後…

健太姉｢ハイ！みんな〜！できたよ〜♪｣
山盛りのすき焼き鍋を持ちながら、リビングのテーブルに向かうお姉さんと、食器を運ぶあたし…←もう、馴染んでますね…笑

健太父｢Aさん！今日はたくさん食べていきなさい♪遠慮することないから！｣
…健太くんの話しと違って(笑)とっても優しいお父さん…

…お父さん…って、こんな感じ、なんだ…

なんだかほんわかしたような、懐かしいような気持ち…
こんなにいっぱいの人に囲まれて、ご飯食べるなんて…初めて、かも…！

あたしは凄く、楽しくて…ずっと、ここにいたいなぁ…なんて、強く…思っていた…。

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