幸せはきっと僕の手の中に…

37話 ページ37

A｢ね！健太くん！見てもいい？｣

健太｢…つーか…ダメって言っても見るんだろ…いーよ…｣
そう言って、ちょっと笑いながらベッドに寄りかかってカーペットの上に座る健太くん…

A｢…やったぁ♪｣
あたしはアルバムを抱えて健太くんの隣に座った…

A｢…うわぁ…カワイイ♪｣
…アルバムを広げると、そこにはお母さんに抱っこされるまだ赤ちゃんの健太くんがいた…

…これが、健太くんの…お母さん…

可愛らしい感じのするふんわりした笑顔が印象的な人…
…アルバムをめくっていくと、お父さん、お姉さんの姿も写っていて…ほんわかした…とってもいい家族なんだって…感じた…

…それに…ちっちゃい時の健太くん…とっても…カワイイ♪
ちっちゃい時から…ちょっと目つき…悪いんだ…笑
思わず写真の中の健太くんと、隣にいる健太くんを見比べて…笑ってしまうあたし…♪

そんなあたしを見て、健太くんは怪訝な顔をしてあたしを覗きこむ。

健太｢…お前…そんなの見て、おもしれーの？｣

A｢うん♪…だって、健太くんのことなら…なんでも知りたいもん…｣
あたしは満面の笑顔で健太くんに笑いかけた…

…次の瞬間…
あたしの身体は……健太くんの、腕の中に……
いた…！

痛いくらい、強く抱き締められて…あたしは息が止まりそうになる…！

A｢けっ、健太くんっ!?｣

あたしの肩を抱く、健太くんのおっきい手と…洋服越しにでも分かる、健太くんの熱い身体…耳元をくすぐる吐息に、あたしの心臓は…もう、破裂しちゃいそう…

…思わず、あたしもゆっくりと…健太くんの背中に手を回した…
いっそう、あたしを抱き締める健太くんの腕の力が…強くなる……
…と、思ったら…今度はその力が緩められた…

…ふと、顔をあげると…そこには今まで見たことない…健太くんの…瞳…

普段の、ちょっとやんちゃに輝く瞳じゃなくて…
艶っぽく煌めく…健太くんの瞳…
その瞳から、目が…離せなくなる…

その瞳が、揺らめいたかと思うと…ゆっくり傾けられる…健太くんの顔…細められる瞳…

………ためらいがちに、そっと…健太くんの唇が、あたしの唇に………重なった……

少しだけ、タバコの匂いのする…健太くんの、熱い唇の感触…

突然のキスに…あたしはびっくりして、目を丸くする…！

…唇を離して、あたしを見つめる健太くんはちょっと照れくさそうに、ポツリと呟いた…

健太｢…お前…目ぐらい……瞑れよ…｣

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