幸せはきっと僕の手の中に…

31話 ページ31

…キョロキョロと、部屋の中を見回して…健太くんは落ち着かないって感じで、キッチンのあたしに呼びかける…

健太｢…キレイに、してんだな…｣

A｢そうかな…？普通だよ〜…ハイ！｣

ちょっと笑いながら、あたしは冷蔵庫にあった野菜を使って…野菜スティックとほうれん草とベーコンのバターソテーを作った。

健太｢…はやっ!?｣

A｢後で、パスタ作るね♪これ、おつまみにして飲んで待ってて♪｣

健太｢…お、おう…｣
料理の早さにびっくりした様子の健太くん…
…良かった…お母さんに料理習っておいて…笑

あたしがキッチンに戻ると、缶ビールの開く音と、美味しそうにビールを飲む吐息…

健太｢…んあ〜っ！うまいっ!!」
健太くんの嬉しそうな声に、あたしまで嬉しくなる…！

…良かった♪…そーだ！…灰皿…

タバコを吸わないあたしの家には灰皿がない…
この間ヤケ酒した時のチューハイの缶でいっか♪←え〜っ!?笑

健太くんのもとに空き缶をもっていくと…

…あ、あれ？
………固まっている、ちょっと猫背な後ろ姿…
思わずその背中に抱きついてしまいたかったけど…
固まっている、健太くんの背中に問いかけた。

A｢…ど、どーしたの？」
あたしの問いかけに、健太くんはゆっくりと振り向いた…

健太｢…これも…すげーうまいっ!!」
口いっぱいに、あたしの作った料理をほおばる…子供みたいにカワイイ健太くんに…ドキリとする…！

…健太くんてば…そんな笑顔…みせないでよ…ドキドキ、しちゃうじゃない…

胸のドキドキが、バレないように…あたしは慌ててキッチンに戻って、パスタを作った…


健太｢…はぁ〜、うまかった！ごちそーさん！｣

A｢どーいたしまして♪良かった♪健太くんに美味しいって言ってもらえて…｣

健太｢…お前…料理うまいんだなぁ…｣
感心したように頷く健太くんの顔を見て、あたしはコーヒーを入れる手を止めて、ポツリと呟いた…

A｢…そーかな…でも、ほら…うちって、お母さんしかいないし…ちっちゃい時から教えてもらってたの…お母さんがいない時は、自分で作るって…」

健太｢…そっ…か…｣
あたしの言葉に、ちょっと申し訳なさそうに目を伏せる健太くん…
その意外に、長い睫毛が影を作る…

A｢そーだ！あたし、今度…健太くんのお家、行ってみたいな♪お父さんとお姉さんに会ってみたい…！｣

あたしの言葉に、健太くんは飲んでたコーヒーを吹き出した…笑

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