幸せはきっと僕の手の中に…

28話 ページ28

『…俺の……………彼女に、なれよ…』

その…ぶっきらぼうで、少し照れたように呟いた健太さんからの思いもよらない言葉に…
あたしは、ただただ…びっくりして、涙が…止まらなかった…。

…だって、健太さんのことが好きで…大好きで、たまらなく好きで…
今日のデートだって、信じられないくらい…嬉かった…

…でも、それと同時に…アカネさんと自分を比べてみたりして…ちょっと自己嫌悪になってたのに…

…まさか…まさか……健太さんが、あたしのこと……彼女、にしてくれるなんて…

まだ信じられないあたしは、泣きながら健太さんを見上げる…

健太｢…ん？｣
…あたしの頭をくしゃくしゃと撫でながら、少し微笑む健太さんの優しい瞳に、また涙が溢れそうになる…

健太｢…いーかげん、泣き止めよ〜！｣
ちょっと困ったように笑う健太さんを見て、あたしも自然と笑顔になる…

A｢…だって、嬉しくて…｣

健太｢…ほら、メシ…行くんだろ…｣
そう言って健太さんは、あたしの顔を覗きこみポンポンと頭をたたいた…

…今まで…見たことないくらい、優しくて甘い笑顔に、あたしの心臓はドキリと音を立てる…！

健太さんに置いていかれないように、あたしはまた、ドキドキしながら…健太さんの肘を掴んで歩きだした…

さっきまでと違う…彼氏と、彼女…なんだぁ…

そんなことを思いながら、隣を歩く健太さんの横顔を見つめる…
ツンツンの茶色い髪…憂いのある瞳…通った鼻筋…意外と、艶っぽい唇…

…何度見ても、健太さんはほんとに素敵で…ドキドキしちゃう…

健太｢…そんなに、見んなよ!!」

食い入るように、健太さんの顔を見つめるあたしの視線に気づいたのか…健太さんは、恥ずかしそうに口元に手をやる…

A｢…ふふ…すみません♪｣

健太｢それと！その敬語、やめろ…あと、健太さん…って言うのもナシ!!…健太で…いいから…｣

A｢ええ〜っ！そんな…呼び捨てなんて、無理です〜!!」
…言われたそばから敬語を使って、健太さんに厳しいダメ出しをされるあたし…笑

健太｢ほらっ！言ってみ！健太って！｣

A｢……け、け、健太…くん…じゃ、ダメ…？」
顔を赤くしながら、ちっちゃく呟くあたしに、健太さんは口の端をちょっとあげてクスリと笑った…！

健太｢…いいよ…それでも…｣
優しく、甘く微笑む健太さんの瞳に…逆らうことなんて…できない…

幸せな気分で…あたしは健太くんの隣に、寄り添った…

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