幸せはきっと僕の手の中に…

27話 健太 ページ27

寂しそうに笑う彼女の横顔に、俺はポツリと呟いた…

健太｢…違って、当たり前だろ…明音は明音で…お前は…お前じゃんか…」

A｢…そーなんですけど…やっぱり…ちょっと、気に…なっちゃって…」

健太｢…気に…なる…？」
言ってる意味が、いまいち理解できない俺…←オンナゴコロが分かんないんですね…笑

首を傾げる俺に、彼女は小さく息をはき…潤んだ瞳で俺を見つめる…

A｢…健太さんの、好きだった人は…素敵な女の人なんだなぁ…って…｣

…その瞳からは、今にも涙が溢れそうで…俺は思わず、息をのんだ…！

…俺をまっすぐに見つめる、大きく潤んだ瞳…
俺の名前を呼ぶ、愛らしい声…
俺の腕に掴まる、細い指先…


今…気づいた…
いや…ほんとはもっと前から、気づいてた…

…俺………コイツのこと………

………………好きになってた………

だから、明音の歌も…気持ち良く、聞けたんだ…

A｢…あんな素敵な女の人…なかなか、いないですよね…！｣
そう言って、無理に笑顔を作る姿が…俺の心臓をギュッとさせる…！

…俺はたまんなくなって、思わず彼女の腕を掴んだ…！
いきなり俺に腕を掴まれて…キョトンとする彼女に向かって、思いきって問いかける…！

健太｢お前さ…これから絶対！絶対、ぜ〜ったい、…ナンパされたら、断れよ!!」

A｢…は、はい？」
突然の俺の言葉に、さらにキョトンとする…←笑

健太｢………彼氏……いるって、言え…｣

A｢…え？｣
ボソボソと呟く俺の声が聞こえないのか、潤んだ瞳で俺の顔を覗きこむ…

ふいに近づいた、そのおっきな瞳に見つめられて…俺はドキッとしてしまう…←カワイイですね…笑

健太｢…だからっ！…彼氏がいるって、言えばいーんだよっ！｣

A｢…わかりました！ウソをつけばいいんですよね♪｣
そう言って、満面の笑みを浮かべる彼女…

…カ、カワイイ…←笑
でもっ！ちげーよっ!!そーじゃねぇんだよっ!!

俺は彼女の瞳を見つめ…ポツリと、呟いた…！

健太｢…俺の…………彼女に、なれよ…」

思いきって言った言葉に、急に恥ずかしくなる俺…笑

思わず俯く俺だけど…掴んだ彼女の腕が、小さく震えていて…俺はそっと顔をあげた…

次の瞬間…
俺の目にとびこんできたのは…
彼女の、涙でいっぱいの…瞳と、震える声…！

A｢…あ、あたしで…いいんですか…？」

健太｢…おう…｣

…俺は涙が止まるまで、黙って彼女の頭に手をやった…。

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