幸せはきっと僕の手の中に…

24話 ページ24

…痩せてみえるけど、意外に筋肉質な健太さんの腕の中で、あたしの心臓は破裂しそうになる…！

…ど、どうしよう…!?

すぐ目の前に、シルバーのネックレスが揺れる…健太さんの男の人って感じの胸元に、息が…止まりそう…！

あたしは思わず…その胸に抱きついてしまいそうになった…けど…
次の瞬間…

健太｢…だから…………言っただろっ!!ちゃんと断れって!!｣

頭ごなしに…健太さんに、怒られてしまった…笑

A｢す、すみません！すみません！｣
そして…ひたすら謝るあたし…笑

A｢…ちゃんと…断ったんですけど…」

健太｢…どーやって…？｣
腕を組みながら、あたしの顔を覗きこむ健太さん…

A｢…そ、その…待ち合わせ中なので、すみません…って…｣
あたしの言葉に、健太さんは大きく息をつく…

健太｢…だ〜か〜ら〜、言っただろ〜！そんな断り方じゃダメだって!!…彼氏がいるって、言えよ!!｣

A｢…でも…彼なんて…いないし…」

…大好きな人なら…目の前に…いるんだけどな…

そう思いながら、ちょっと唇を尖らせて…健太さんを見上げる…
そんなあたしを見つめる…健太さんの瞳は、ちょっと怒ったような…笑ってるような…不思議な輝き…

健太｢…いいから…次、もし…声かけられたら、彼氏がいるって、言えよ…｣

A｢…で、でもっ…｣
そんなあたしの言葉を遮るように…あたしの髪の毛をくしゃくしゃにする…健太さんのおっきな手のひら…！

健太｢…わかったな…！｣

そう言って、また…あたしの好きな、あの笑顔で…あたしの顔を覗きこむ…
そんな瞳で見つめられたら…健太さんの言うこと…なんでも聞きたくなっちゃう…

A｢…はい…♪｣

健太｢…じゃ、行くぞ…」
そう言って、健太さんはあたしの前を歩き出した。その後を、あたしは遅れないように着いていく…

…なんか、ほんとにデートしてるみたいで…嬉しい♪

健太｢…お前…歩くの…おせぇなぁ…｣

…気がつけば、ヘラヘラ笑ってるあたしは人込みに押されて、健太さんから離れてしまっていた…

健太｢…しょーがねぇなぁ…｣
そう言って、健太さんは…ポケットに手を入れたまま、自分の肘を軽く動かした…

健太｢…ほら…｣

………えっ!?
思わず、健太さんを見つめるあたし…！

健太｢…いーから…つかまれよ…｣

………そんなに、優しくされたら…あたし…
……期待…しても…いいの…かな…

…あたしはドキドキしながら…健太さんの腕に…そっと、触れた…。

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