幸せはきっと僕の手の中に…

20話 健太 ページ20

すぐ後ろにいる俺に気づくわけもなく…アイツは、俺の写ってるポスターを指をさして、子供達に熱く語ってる…笑

…しょーが、ねぇなぁ…笑

A｢色んな歌も歌えるし！踊りだって上手でしょ!!…それに…こんなカッコいい歌のお兄さん、今までにいないんだからっ!!｣

ば、ばかっ!!…何、言ってんだよ…!!

思わず恥ずかしくなって口元に手をやる俺…
ふと、向かい側にいる子供一人と目があった…
途端…！

｢ああ〜っ！歌の、お兄さんだぁ〜!!｣

…マ、マズイッ!?見つかった!!

子供のリアクションに気づいて、アイツの小さな背中がピクリと動いた…！
ふわふわの髪を揺らしながら、ゆっくりと振り返る…！

A｢けっ、けっ、健太さんっ!?｣

そのおっきな瞳が更に大きく見開かれる…！

健太｢おっ、おう…｣

A｢…や、だ…！いつからいたんですか…｣

健太｢…いや、ちょっと…前から？｣

俺の言葉に、顔を赤くして俯くアイツ…
恥ずかしそうに顔を両手で隠す仕草に、ドキンとする…

俺も思わず、俯いてしまった…←可愛いですね…笑

…つーか…そんなこと言われて…恥ずかしいの、俺だし……照れる…笑

そっと顔を上げると、アイツの潤んだ瞳と目がバッチリ合ってしまい…
目が、離せなくなる…！

その潤んだ瞳と、小さく開かれた唇は何か言いたそうに揺れている…思わず、息をのむ俺…！

A｢…あ、の…｣
｢わ〜いっ!!歌のお兄さんだぁ〜っ!!｣
…次の瞬間！
俺の周りに集まって抱きつく子供達…!?

健太｢だ、だぁ〜っ!!くっ、くっつくなよ!!｣

…さっきまで、俺のことバカにしてたくせに…このクソガキども〜！←そんな言い方したらダメですよ〜！

｢お兄さん♪遊んでよ〜♪｣

健太｢遊ばねーよっ!!｣

…逆に子供に遊ばれてる俺を見て…アイツは、嬉しそうに…笑っていた…。


健太｢だぁ〜っ!!…疲れた!!｣

A｢お疲れ様でした♪｣

一通り、クソガキ…(笑)…子供達と遊んでやって…俺は局のロビーにある椅子に深く腰かけた…

A｢楽しそうでしたね♪あの子供達…それに…健太さんも…♪｣
そう言って、キラキラの笑顔で俺に笑いかける…けど、俺と目が合うと、また恥ずかしそうに下をむくアイツ…

健太｢…お前、こんなとこで何してんだよ…｣

A｢あっ、いや…その、近くを通ったもので…｣←苦しい言い訳…笑

俺の言葉に予想以上に慌てる顔が…かわいくて…

俺は思わず、自然と…笑顔になっていた…。

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