幸せはきっと僕の手の中に…

２話 健太 ページ2

健太｢…だぁ〜っ!!間に…あった〜…｣
なんとか面接会場に着いた俺…

…あぶねー…ちょっと可愛い女の子とぶつかったからって…
こんなんで面接間に合わなかったら話しになんねーし…

いくつもの扉が並んだ、だだっ広い廊下…
その廊下を歩きながら、上がる息を整え…ついでにネクタイを締め直す。
ほどなくして、扉が開き…俺の名前が呼ばれた…

｢矢野…健太さん｣

健太｢あっ、は…はい…｣

…就職なんて…めんどくせぇ…
そうは思いながらも…俺だって、人並みに緊張するわけで…

…おそるおそる扉を開けて部屋に入ると、広い部屋に一人…難しい顔をした女の面接官？が座ってた。

健太｢…ど、どうも…｣←笑

｢矢野…健太さんですね？｣

健太｢は、はい…｣

…つーか、何…聞かれんだろ…なんも考えてねーけど…←え〜っ!!何しに来たんですか!!

難しい顔をした面接官の顔色を伺うと…その面接官の顔が、にっこりと微笑んだ…！

健太｢…ははっ…｣

…なんだ…意外と簡単そーじゃん…これなら楽勝かも…

俺もとりあえず、愛想笑いなんてしてみた…けど…次の瞬間…

｢矢野さん……不採用！｣

健太｢…はぁっ!?｣

笑顔の面接官の口から出た言葉に、思わず声を荒げる…！

健太｢えっ!?な、なんでだよ…!?｣

｢まず…入室の際、失礼します…でしょう？合わせてその言葉遣い…社会人としての自覚はあるんですか？｣
…そう言われ、思わず言葉に詰まる俺…←笑

健太｢…でっ、でもさ…｣
俺の言葉を遮るように、面接官は大きなため息をついた…

…なんだよっ！ため息つきたいのは俺の方だろっ！

｢一番まずいのは…ソレです!!｣
そう言うと、面接官は俺のネクタイを指さした…

んだよっ!!さっき、ちゃんと締め直しただろっ!!

…何気なくネクタイに目をやる俺…次の瞬間…俺は言葉を…失った…。
…締め直したネクタイの横…ヨレヨレのスーツから覗く白いワイシャツに……
…口紅のアト…!?

…さっきぶつかった…ちっちゃくて可愛い彼女を思い出す…

…あの…女…←コラコラ!!

健太｢こっ、これは…｣

｢言い訳は聞きません…矢野健太さん、不採用！｣

…必死の弁解も虚しく…？
俺は部屋から出された…
思わず、がっくりと肩を落とす…

…せっかく走ったのに…ムダかよ…←えっ!?そこっ!?

…俺の人生…どーせ、こんなもん…結局、上手くいかねぇんだ…

健太｢ほんと…かったりぃ…｣

重い脚を引きずりながら、俺はボソッと呟いた…

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