姉さん 。【伊黒小芭内】

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「栄養失調とストレスによる発熱
手と足の傷は数日で治るでしょう。」









目の前にいる医者は布団を掛け直しながらそう言った。

あれから私は屋敷に戻り、医者を呼んだ

栄養失調とストレスによる発熱
食事はどうしていたんだろうか、それにあんな所に毎日いたらストレスも溜まる

私は眠る少年の顔を見ながら考える
そして、気になるのがもう一つ








「…その口の傷は、治らないですか？」





「ええ。……酷いことをするものだ」








医者は顔を顰めながらそう呟いた。

大きな傷、ひどい傷
今はさっきと同じように包帯で口を隠しているが、目にした時は驚いた

子供になんてことをしてるんだ
ふつふつと怒りが湧いてくる








「あの子は、どうするのですか？」








医者は玄関で靴を履き終えたのと同時にそう聞いてきた
それに対し、私は少し間を置きこう答える








「……とりあえず目が覚めるまでは、私が面倒を見ようと思います」








“ そうですか “
切なそうに、そして優しく微笑みながらそう言い私の屋敷から医者は去っていく

ああ、きっと先生が言っていた“ どうするのですか “はこれから先(・・・・・)どうするのか、という事だろう








「…まだ、分からないなぁ」








私は自分の頭を掻きながら小さくそう呟く
今はとりあえず、あの子が目を覚ます事を願おう。









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