52日目 ページ7
.
「オマエは悪くないよ。ありがとね、諦めないで探してくれて」
肩に乗り小さく鳴いている鼠の頭を指で撫でながらそう言う。
あれから悠仁くんを硝子さんの所に連れて行き私は戻った。だけど、ツギハギの姿は完全に消えていた。
捜索を得意とする鼠が見つけられなかった。味方がいたのかもしれない。
深くため息をつきながら廊下を歩く。
「まぁ〜た包帯生活だよ」
頭に巻かれた包帯に触れながら一人呟く。
やっと完治したのにまたこれだよ。あーあ、最悪だ。なんてことを思いながら私はアトリエ代わりにしている空き部屋に入った。
が、私は忘れていた。
「あっ、ちょ、あ……あ〜……」
ドアを開け、部屋の中を見たのと同時に私は苦笑を浮かべる。私の視線の先にはぽたぽたと涙を流している悠仁くんの姿。
そうだった。3年エリアに悠仁くんいたんだった。そりゃそうだよ3年今私だけだもん。しばらく悠仁くんの部屋にするって五条先生に言われてこの部屋片付けただろ、何最近のこと忘れてんだ私。
とドアノブを強く握りしめながら自分に言い聞かせる。
「鼠」
そう一声かけると鼠は私の肩から飛び降り悠仁くんの元へと向かっていく。
私は一旦ドアを閉め、2個隣にある空き部屋から大きなスケッチブックと筆ペンを持ち出し、悠仁くんがいる部屋に戻った。
「…どったのAさん。それにこの鼠も」
「うーん、アニマルセラピー?」
ベッドに座っている悠仁くんの足元に座り私はスケッチブックを開いた。そして絵を描き始める。
私は「あ」と声を上げ巻物を広げながら悠仁くんを見た。
「猫と犬も出してあげよっか」
「いやいいよ。Aさんも疲れてるでしょ」
「遠慮なさんなって。ほれほれ」
巻物に呪力を篭める。
巻物からは犬や猫、そして兎と梟がそれぞれ1匹1羽ずつ姿を現した。
.
1456人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せう(プロフ) - 不穏が漂ってきてしまってきたな、、、、いやだあああああ!!!(楽しみにしてます) (2021年4月15日 23時) (レス) id: 71865eb671 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 過去編の話をみてみたいです。 (2021年4月15日 23時) (レス) id: 226fa6ece3 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください (2021年1月21日 19時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - フォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!続編おめおめです〜!!これからも無理しない程度に更新頑張ってください!^ - ^((矛盾 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コンペーと | 作成日時:2021年1月17日 1時