検索窓
今日:8 hit、昨日:18 hit、合計:718,701 hit

#. 28 ページ30

.









.









「…へぇ、右手で植物の命を奪えるんだ?私と似てるね」









右手を地面についてしゃがんでいる特級の背後に立ち、そう言いながら私は懐刀で首を狙う。
が、その攻撃に素早く反応した特級は直ぐに私から距離を取った。








「神代先生!」

「や、悠仁。それに葵も。
遅くなってごめんね、って言いたいところだけど…全然平気そうだね?」



『可笑しな気配をした呪霊がいるとは思いましたが、まさか貴女の半身でしたか』

「うぇ、何これ気持ち悪ぅ」







べっ、と舌を出し自分の頭を叩きながら私は特級を見る。

コイツは五条が言ってた特級か。
悔しいな、五条のあの絵で分かってしまうなんて。
私は深くため息をついた。そして思ったことをそのまま口にする。









「特級の相手なんて高専時代以来かなぁ?
…あーあ、ヤダヤダ。嫌なこと思い出しちゃった」



『何をぶつぶつと…殺します』

「神代先生!!!」








脳内に直接流れてくる特級の声と、後ろから聞こえる悠仁の声。
前を見てみると私に襲いかかってくるたくさんの木の根。根の先端は棘のように尖っている。

それを見た私は懐刀の握り方を変え、小さな声でこう唱えた。









「…死期葬殮(しきそうれん)









そう唱えたのと同時に、私が見てる世界は一瞬で変わる。

そこら中にある落書きのような靄のかかった赤白い線。
私がこの線をなぞれば簡単に殺せる(こわせる)

私は向かってきた木の根にある"死の線"を切った。
私に届く前に木の根はその場で塵のように消えていく。が、消えたのと同時にまた新たな木の根が私に襲いかかってきた。









「あ"〜触手みたいにうねうねしててうざったい!
何?そんなに私に近付いてほしくないの?」

『…貴女の術式は身体強化か何かですか?いや、それにしては根の消え方が可笑しい』

「おいコラ質問を質問で返すな」









そう言いながら私は猫のように身軽に跳び攻撃を避ける。
攻撃が止み、地に足を着いた私は特級を見ながらこう言った。








「……ねえ、アンタは知ってる?
"死"ってさ、案外身近にあるんだよ」









.

#. 29→←#. 27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (442 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1538人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

胡蝶 - 初コメ失礼致します。…もしかしてお好きな小説って、戯言シリーズだったりなさいますか? (2021年12月31日 22時) (レス) @page2 id: 479dd61c6a (このIDを非表示/違反報告)
ありな - アッ(察し) 直○の魔眼か!にゃるほど。 (2021年2月3日 3時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
菜奈(プロフ) - 本当におもしろいので更新たのしみにしてます (2021年2月3日 2時) (レス) id: 51a9e342b5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いのですが、これは原作沿いですか?それとも五条先生か学生だった頃の話でしょうか?それともオリジナルの話ですか?とても面白いので更新楽しみにしてます!応援してます!! (2020年11月17日 21時) (レス) id: 7272416208 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ - え、ちょまって?面白すぎて。。。というか神絵すぎません???更新待ってます! (2020年11月2日 1時) (レス) id: f28035928f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:コンペーと | 作成日時:2020年10月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。