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「…へぇ、右手で植物の命を奪えるんだ?私と似てるね」
右手を地面についてしゃがんでいる特級の背後に立ち、そう言いながら私は懐刀で首を狙う。
が、その攻撃に素早く反応した特級は直ぐに私から距離を取った。
「神代先生!」
「や、悠仁。それに葵も。
遅くなってごめんね、って言いたいところだけど…全然平気そうだね?」
『可笑しな気配をした呪霊がいるとは思いましたが、まさか貴女の半身でしたか』
「うぇ、何これ気持ち悪ぅ」
べっ、と舌を出し自分の頭を叩きながら私は特級を見る。
コイツは五条が言ってた特級か。
悔しいな、五条のあの絵で分かってしまうなんて。
私は深くため息をついた。そして思ったことをそのまま口にする。
「特級の相手なんて高専時代以来かなぁ?
…あーあ、ヤダヤダ。嫌なこと思い出しちゃった」
『何をぶつぶつと…殺します』
「神代先生!!!」
脳内に直接流れてくる特級の声と、後ろから聞こえる悠仁の声。
前を見てみると私に襲いかかってくるたくさんの木の根。根の先端は棘のように尖っている。
それを見た私は懐刀の握り方を変え、小さな声でこう唱えた。
「…
そう唱えたのと同時に、私が見てる世界は一瞬で変わる。
そこら中にある落書きのような靄のかかった赤白い線。
私がこの線をなぞれば簡単に
私は向かってきた木の根にある"死の線"を切った。
私に届く前に木の根はその場で塵のように消えていく。が、消えたのと同時にまた新たな木の根が私に襲いかかってきた。
「あ"〜触手みたいにうねうねしててうざったい!
何?そんなに私に近付いてほしくないの?」
『…貴女の術式は身体強化か何かですか?いや、それにしては根の消え方が可笑しい』
「おいコラ質問を質問で返すな」
そう言いながら私は猫のように身軽に跳び攻撃を避ける。
攻撃が止み、地に足を着いた私は特級を見ながらこう言った。
「……ねえ、アンタは知ってる?
"死"ってさ、案外身近にあるんだよ」
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胡蝶 - 初コメ失礼致します。…もしかしてお好きな小説って、戯言シリーズだったりなさいますか? (2021年12月31日 22時) (レス) @page2 id: 479dd61c6a (このIDを非表示/違反報告)
ありな - アッ(察し) 直○の魔眼か!にゃるほど。 (2021年2月3日 3時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
菜奈(プロフ) - 本当におもしろいので更新たのしみにしてます (2021年2月3日 2時) (レス) id: 51a9e342b5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いのですが、これは原作沿いですか?それとも五条先生か学生だった頃の話でしょうか?それともオリジナルの話ですか?とても面白いので更新楽しみにしてます!応援してます!! (2020年11月17日 21時) (レス) id: 7272416208 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ - え、ちょまって?面白すぎて。。。というか神絵すぎません???更新待ってます! (2020年11月2日 1時) (レス) id: f28035928f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コンペーと | 作成日時:2020年10月27日 22時