味見 【hyug yum】 ページ9
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うちには煙草を吸うメンバーが二人いる。というと、みんな知っているであろうひゅうがとゆうまのことである。
チャンネルではヤニヤニコンビなんて言われている二人だ。一般的に言ってしまうと良くないイメージがつくことが多い煙草だが、私は煙草の匂いは案外好きだし、男女問わず煙草を吸っている人の姿がちょっと好きだったりする。だから、ひゅうがかゆうまが煙草を吸う時は近くで見てることが多い。
そして、今日もひゅうがとゆうまがキッチンで煙草を吸っているところを少し離れたところから眺めていた。
｢今日も眺めてんね、俺らが煙草吸うとこ｣
『気にしないで吸ってていいよ』
｢なんで眺めてるんでしたっけ？｣
『え、なんかかっこいいなーって』
｢そうだよゆうま、かっこよくてAちゃんは俺らのこと見てんだよ｣
｢ははは、悪い気はしないですねえ｣
なんておちゃらける二人が持つ煙草の先から立つ煙をぼーっと目で追う。
｢でも副流煙の方が悪ぃ煙なんだからあんま近くにいない方がいいんじゃね？｣
『そんなの気にしてたら室内で吸わせてないよ笑』
｢確かにな笑｣
しばらく眺めていても煙草を吸うことで二人が癒されてるように見えるものだから、好奇心が湧く。
『ね、ふたりが吸ってる煙草っておいしいの？』
｢うん、うまい｣｢おいしいです｣
『へぇ〜…まあ美味しくなかったらこんなに吸わないかあ』
｢Aは興味こそ示すけど自分では吸わないですよね｣
｢吸わない方が良いけどな、笑｣
『体に悪いもの！って分かってるから吸わないけど、どんな味なのかなーって気になりはするよ、あと中毒性あるものだからこわいかも』
｢…味見してみる？｣
『えっ、ひゅうがいいの』
｢一口ぐらいならいいんじゃないですか？｣
｢ほら、こっち来てみ｣
ふたりがいる所まで行けば、ぐっと煙草の香りが強くなる。
｢はい、吸ってみな｣
吸い方なんか分からないけどひゅうがに言われるまま煙草を咥えて吸ってみる。
『っけほ、げほっ、』
｢A大丈夫？笑｣
『二人ともこんなの吸ってるの！？やばいね』
経験したことの無い味、感覚に驚きが隠せない。すぐひゅうがに煙草を返して呼吸を整える。咳込む私を見て笑うひゅうがに むっとする私のことを、ごめんごめんと頭をぐしゃぐしゃ撫でてきた彼の姿は少し大人びて見えた。
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作者名：ネギトロ丼 | 作成日時：2023年2月4日 2時
