検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:9,564 hit

ページ5










駆け足で審神者部屋へと向かう二人と一匹。





加州「もうすぐだよ!」





すると次の瞬間、死角になっていた曲がり角から黒い何かが出てきた。

風を切る音と共に、加州の腕を掴み後方へとさがる。





「…チッ」





『…綺麗な小刀』





相手は数歩後方へと退り、こちらを睨む。





加州「ッ…薬研…」





薬研「…あんたも懲りねぇな、加州の旦那」





ボロボロの戦闘服に身を包み、短刀を構える薬研藤四郎。

Aに向けるその瞳には、怒りと恐怖が混ざり合い曇っていた。





加州「薬研、この人は信用出来る」





Aを守るように前に出た加州。


だが、Aにはその背中は物凄く小さく見えた。





薬研「確信は?」





加州「それはッ……」





薬研の言葉に詰まり顔を俯かせる加州。





薬研「人間なんて信用出来ない、初期刀のあんたが一番わかってるだろ」





加州「ッ…でも!」





薬研「大将とは違うってか?



その言葉はもう聞き飽きたッ!!」





怒りに顔を歪ませ声を荒らげて怒鳴る薬研。





薬研「あんたがそうやって新しい奴を連れてくるから、いつまで経ってもこの地獄から抜け出せねぇんだろ!!」




加州「ッ……」





怒り、悲しみ、苦しみ、それらを身をもって味わってきた彼らにとって、新しい者が来るというのは地獄の繰り返しでしか無かった。





薬研「……期待は早々に捨てたほうが身のためぜ」







『それはどうかな』





先刻まで黙って二人を見ていたAが口を開いた。


そんなAに目を細め睨む薬研。





薬研「……どういう意味だ」





『神である貴方方が命令してくだされば私はそれに従います』





薬研「、は…?」





『だってそれが世間の普通というものだから。

神は人より上に立つべき御方、審神者に仕えようがそれは変わりません。


ですので、命令を下されば私は出来る限り遂行してみせましょう』





加州「主……」





薬研「…ハッ、忠実なその心、果たして(まこと)のものか」





刀を構えたまま、試すような口ぶりで言葉を続ける。

その言葉には、どこか期待が入っているように見えた。











薬研「…人の子、命令だ、審神者を殺せ」




















『___承知』









伍→←参



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 女主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:( ˙-˙ ) | 作成日時:2020年7月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。