弐 ページ3
すると、いつの間にか怯えた様子も消え去り私の腕に抱かれ説明を始めた。
ちなみに敬語を外すようにお願いされたので、遠慮なくタメ口を使うことに。
こ「ここは、刀剣達が審神者と共に住まう本丸です」
『本丸?』
こ「はい」
簡単に纏めると、こういうことらしい。
歴史を変えようとする者、歴史修正主義者に立ち向かう為に、付喪神のいる刀剣を人化させ歴史改変を防いでいるとの事。
そんな刀剣たちを仕う者、それが審神者という者。
審神者になる為には、主に審神者育成学校を卒業し見習いから始めるものがほとんどだとか。
だが、私は珍しく一般から。
『じゃあ、今回私が誘拐まがいをされたのは審神者としての能力を認められたから、ということ?』
「にしては、少々手荒なのでは?」と言うと申し訳なさそうに耳を垂らすこんのすけ。
こ「申し訳ありません、私もそう思い理由を問いたのですが、教えて貰えず…
綺麗なお顔に傷をつけてしまい、どうお詫び申せば良いか……」
そう言って私の額に前足を伸ばした。
殴られる直前に後ろを向いた私は、額に怪我をした。
目を覚ました時、ちゃんと包帯を巻いて応急処置はしてあったので、特に気にしなかった。
『別に構わないわ、傷のひとつやふたつあっても生きる上で支障が出なければ無いも同然』
「なんと言うお心ッ…」と泣き出すこんのすけ。
''ブラック本丸''。
先程のこんのすけの説明にあった。
人間が神より上の立場に立つなど、悪事を働いてくれと言っているようなもの。
そんなことも分からぬとは、政府といえど、所詮は人間ということか……
『それにしても困ったね……』
この異臭といい辺りに飛び散っている血といい、ここは言わずもがなブラック本丸だった。
こんのすけの話によると、ここの審神者を捕獲し新しく私を審神者に任命したいとの事。
ある程度の剣術や体術は備え済みだけど、実際に過激な喧嘩はしたことないからな……
『まあとりあえず、中へ入ろうか』
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作者名:( ˙-˙ ) | 作成日時:2020年7月24日 23時