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最後の種目のスウェーデンリレー。
全生徒が走らないといけないリレーやけど、俺はこの前のタイムで割と上位やったようで150M走り2人抜かすことが出来た。
意外に足速いんだねって違うクラスの女子から言われてちょっと照れくさかった。
最後は3年生で、大毅はアンカーになってた。
スタートを切って走り出した瞬間、どこも追いついて追い越されてなかなか良い勝負。
最後大毅が3番手でバトンを受け取った。
さすがサッカー部エース、どんどん差が縮まって首位に出た。
そのままぶち切りの1位。
走り終わって少し苦しそうだけど、友達に囲まれ嬉しそうに笑っている。
お疲れ様って声かけたかったけど、ただ遠くから見つめることしか出来なかった。
放課後、流星とのんちゃんと別れたあと淳太先生の保健室の前に行くと、中から声が聞こてくる。
「もう、とも、…辛いねん…
俺…、…やから…」
「うん…、でも、…
…大丈夫やから」
俺のこと話してる。
大毅と先生の声だけ聞こえるけど、入って良いかな?
躊躇したけど、中が気になって仕方なくて、ドアを開けると案の定大毅と先生が向かい合って話していた。
少し大毅の目が赤い気がするけど、気のせいかな?
「とも!
どうしたんこんな時間に」
「チョコ取りに来たんやけど、
それより大毅目赤いやん!
俺の話してたんやろ?どうしたん?」
「ともの話は、してないで?」
「嘘やん!
聞こえたもん!
俺のことがなんか辛いって」
「それは…」
「泣いてるのも俺のせいなんやろ?
教えて、俺なんかしたんやろ?
ごめんっ、気づかなかった」
「とも…」
「ストップ、ストップ、2人とも落ち着いて!
大毅は、ともひろが昼に具合悪くて保健室に来たのかと思って、心配してたんや。
具合悪いときは頼ってくれないと辛いねんて。
あと、泣いてるんやなくて日焼けして少し充血してるだけやから」
「本当に?」
「うん」
「良かった。
大毅のことは頼りにしてるから心配しないでな?」
「わかったよ」
淳太先生の説明を聞いて心が落ち着いた。
大毅は穏やかな表情に戻り、泣き出しそうな俺の頭を撫でてくれた。
大毅が泣いてたんじゃなくて本当に良かった。
でも、鞄を取りに教室に戻った俺は知らなかった、本当は2人がどんな話をしていたのか。
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はち(プロフ) - たまごんさん» ありがとうございます!そう言っていただくと励みになります!次回作今週中にアップしますのでよろしくお願いします。 (2022年5月16日 20時) (レス) id: e8c998e3c3 (このIDを非表示/違反報告)
たまごん(プロフ) - コメント失礼致します。最近の私の楽しみと癒しでした!!本当に素敵なお話有難うございます。これからも応援させて下さい。 (2022年5月16日 17時) (レス) id: 8794961631 (このIDを非表示/違反報告)
Terrible(プロフ) - はちさん» ありがとうございます🙇♀️ (2022年4月15日 22時) (レス) id: 4d7c449ef7 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - Terribleさん» 過去の作品は只今リメイク中です。終わったら鍵外す予定です! (2022年4月15日 20時) (レス) id: e8c998e3c3 (このIDを非表示/違反報告)
Terrible(プロフ) - はちさんの、作品を読みたいのですがパスワードが分かりません💦教えて頂けますか? (2022年4月15日 18時) (レス) id: 4d7c449ef7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はち | 作成日時:2022年4月10日 19時