Stuck w you

B6 ページ6

体育祭は俺が苦手なイベントの一つ。
なのに遅刻した流星に巻き込まれて俺も実行委員になってしまった。
親友の頼みには弱いねん。

その委員会の集まりにはのんちゃんと大毅がいて、俺が来てることに相当びっくりしていた。
周り見ても運動部が多くて自分だけ場違いなんじゃないかって思うくらい。
特にイベントの盛り上げ隊長のサッカー部と野球部が多くて、集まると仲良さそうに話し出したから俺は1人で体育祭のしおりに目を通していた。


「嫌なら断れば良かったやん。
まあまあ係の仕事忙しいで？」

心配そうな顔をした大毅が、手元にあるしおりを覗き込みながらそんなこと言う。

「今そう思ってたとこ、
手伝いなんて出来るかな」

「大丈夫やって
流星と小瀧が率先してやるから、他の生徒と一緒に見てればええよ」

「ん、わかった」



大毅がいるから大丈夫かなって思える。
でも、やるって言ったからには俺も出来ることは少しずつ頑張っていこう。

それから毎日放課後１時間近く残って準備を進めた。
流星は俺が真面目に取り組む姿を見て、申し訳なさそうに気を使っていたけど、割と充実感が湧いてきて少しわくわくしている。


・




当日、朝から晴天で日焼け止めをしっかり塗った。
思った以上に盛り上がっていて、特に３年生は写真撮って盛り上がってる。

午前中は騎馬戦があったけど、これは運動部と女子のためにあるようなもん。
気合いいれて上半身裸になる男子がいたら、興奮する女子もいたり。
５歳児みたいな大毅は中央でこちら側チーム大将の鉢巻取って楽しそうにしてた。
それに黄色い声援が送られて青春を謳歌しているよう。なんだか遠い人たちに見えてくる。

俺も参加したけど、めっちゃ疲れた。
体力無さすぎてやばい。

しばらく出番ないから、こっそり淳太先生の保健室に行った。
混んでるかなって思ったけど、がらんとしていて先生は暇そうにしていた。

「暇ちゃうわ。
今さっき膝手当てした一年生を送り出したとこやねん」

「まだ、何も言ってないですよ。笑」

「目がそう言ってんねん。
で、ともひろはどこ怪我したん？」

「怪我してないです。
ちょっと涼みに来ました」

「…そのうち大毅が迎えにくるで？」

「そしたら隠れます」

「なんやそれ、可愛いな。
そうや、これあげるよ」

淳太先生が冷蔵庫から取り出したのは北海道の有名なチョコレートメーカーの石畳の生チョコ。

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