Stuck w you

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３月、新大阪の駅で東京行きの新幹線を待っていた。
おかんとお姉ちゃんが来てくれて、あれもこれもって色々持たされてまあまあな荷物を抱えてる。

電車に乗り込む前、ホームで2人にぎゅっと抱きしめられて泣きそうになった。
大好きやでって、着いたら連絡するんよって何回も言われる俺はまだまだ子供なんやな。
お父さんは昨日の夜に一言二言話したけど、ちょっと照れ臭かった。


目を閉じると、生まれ育ったこの街でのことが走馬灯のように駆け巡る。
楽しいことも辛いこともたくさん経験したけど、いつも側で笑ってくれたのは大毅。

地元を離れるのは寂しいのに、今は大毅に早く会いたくてたまらない。


・



春休み中ってのもあって東京駅は混んでたけど、改札を出ると大毅が待っててくれた。

人目も憚らず俺をその胸に収めると、キスをしようとするから人差し指でその唇を制す。


「だいき、今はだめ。
家に帰ってから」

「…ん、そうやな、
じゃあダッシュで帰ろう？」

「ふふ、なんでやねん。
今着いたばっかりやし、お腹空いた」

「わかったよ」


東京に馴染んでいる大毅を見て少し寂しいけど、やっと隣を歩けることにホッとしている。


新しい街は、一つ一つが新鮮で戸惑うこともあるだろうけど、きっと大毅がいれば大丈夫。
2人で支え合って生きていける。

繋がれた手を強く握り返してそんなことを思う。


「だいき、ずっと一緒やで」

「あたりまえやろ。
愛してんで、とも」

「俺も、愛してる」


やっぱり俺らは家まで待ちきれなくて、どちらからともなく唇を寄せた。







…fin

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