Stuck w you

S29 ページ29

俺は、なんでこんなに大毅と一緒じゃないと嫌なんやろ。
さっきみたいに大毅が誰かと話してるともやもやしたり、大毅のこと考えだすと止まらないのはずいぶん前からある感覚のような気もするけど、これが恋なのかはわからない。

ただの独占欲？
ブラコン？
答えが出るまで大毅は待っててくれるやろうか。


「ほんまに言うてるの？」

「ほんまやで
やから、前みたいに俺のこと、
近くで、…守って欲しい」


自分で言ったのに照れくさい。
本当の気持ちを大毅に伝えるのがくすぐったくて、ちょっと嬉しくて、赤くなる顔を隠すように俯いた。


「もちろんやで」

大毅は俺の両手を引いてぎゅっと抱きしめてくれた。
少し冷えた身体に大毅の体温が広がって、じんわり暖かい。
俺も背中に手を回して抱きしめ返す。
それでも足りなくて胸元に顔を擦り寄せた。


「ふふ、とも甘えたなん？」

「大毅が足らなかったからっ」

「そんなん、俺もやで」


そう言って大毅は俺のつむじに短いキスをした。
それはなぜか心地よくて、このまま時間が止まれば良いなって思ってしまうほど。


大毅と別々に暮らしてから思いが通じなくて、出口の見えないトンネルにずっといた気分だった。
少しずつ光が見えてきて、同じ方向を向いてる大毅が隣にいて、自分でも肩の力が抜けるのがわかる。

このまま一緒に前向いていけるといいな。

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