君を甘やかしたい (ページ8)

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「俺ら１年目の納涼会のあとから飲み会参加しなくなったんじゃなかった」

「たしかそう。
2人ももう参加しないやろ」

「でも断れなさそうやない？」

「そしたら4人でばっくれて濵ちゃんとこ行こうや」

「俺ら濵ちゃん好きすぎるな」

たしかにって笑って、2人が起きるまで他愛もない話を繰り返す。

顔の火照りが落ち着いた神山くんは、風が吹くたびに身震いして俺の腕にぎゅっとしがみついてきた。

俺の肩に乗っかる神山くんの頭に頬を寄せると、彼氏になったみたいで少しのあいだ優越感に浸った。

彼氏みたいって…、
そもそも神山くんは男やしこんな考え良くないんやけど、正直この子は普通の女の子より全然可愛い。

・

しばらくして、お開きの時間が近づいたから、可哀想やけど気持ち良さそうに眠る2人を起こした。

「重岡さん、ありがとうございました…」

「全然大丈夫。
初めてやったのによく頑張ったやん」

「でも、重岡さんに何も出来なくてすみません」

「じゃあ、今度2人で飲みに行こうな」

流星たちに聞かれたくなくて神山くんに耳打ちしてこっそり誘ったら頬を赤くして頷いてくれた。

なかなか会社じゃ仕事の話しか出来ないからって理由つけてラインも交換した。

「重岡くん、藤井くん、
なかなかこっち来れなくてごめんね！
今日は私のために来てくれてありがとう！
2人が同期で良かった」

幹事の笹本はずっと俺らが笹本のために参加したって思い込んでいた。
めっちゃ酔ってるのかやたら声が大きくて耳を塞ぎたくなる。