君を甘やかしたい (ページ7)

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「ほんまに行くん？」

「いく。
仕事終わったら流星のデスク行くから」

納涼会の日ぎりぎりまで流星は俺が参加するのを本気にしていなかった。

「どうしたん？
もしかして笹本に押し切られた？」

「あいつは関係ない。
たまたま幹事なだけやから」

「ふーん。
なら神山くんやろ？」

「ん…まあ」

「めっちゃ気に入ってるんやな」

「心配なだけ、
でもすぐ帰るから」

「まあそういうことでええわ。
じゃあそのあと濵ちゃんとこな」

「おう」

流星はにやにやしながら自分のデスクに戻っていった。

・

納涼会の会場は商業施設の中庭を開放したビアガーデン。
今日は参加人数が多いらしく、みんなグラス片手に賑わっていた。
何年ぶりに見る光景に懐かしさすら感じる。

流星と飲み物持ってテーブルの端っこに着いて2人で乾杯した。
2人なら濵ちゃんのとこにいるのとあまり変わらないよなって流星が正論ツッコミを入れる。
今日は淳太も照史も来れないらしい。

「重岡さん、お疲れ様です」

「あ、お疲れ。
顔真っ赤やな」

「神ちゃん頑張って先輩たちにビール注ぎに行ったんですけど、逆に飲まされちゃったんですよ。
俺も同じくらい飲まされたんですけどね」

「お二人のも注ぎますね…」

「もう少ししてからで良いよ」

可哀想なくらい顔を真っ赤にした神山くんは呂律も上手く回らず眠そう。
もう少し早く来てあげれば良かったなと申し訳なくなった。

それでも皆んなのグラスをしきりに気にしてるから思わず持ってる瓶を取り上げた。

「もういいから、少し俺の隣で休んでてええよ。
眠たかったら寄っかかってもいいし」

「…はい」

流石に自分でも限界を感じてたのか、素直に俺の右肩にもたれて瞳を閉じた。

「…重岡さんって思ったより優しいんですね」

「だって見てられへんやろ、こんなん」

「…流星さん、俺も眠いです」

「はいはい、
もたれかかっていいよ」

小瀧も同じように流星にもたれかかって目を伏せた。