君を甘やかしたい (ページ11)

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お風呂から出てテーブルの書類を整理してたら数日前に届いたある葉書が目に留まる。
それは元カノからの結婚報告だった。
もう俺には関係ないのになんで送ってきたんやろうって思うのに、どうしても捨てられなかった。

今は神山とのご飯を楽しみにして、その葉書を書類の下にしまった。

・

「しげ、神ちゃんとどうなん？」

「ちゃんと指導してるで。
教えられるのは仕事のことだけだけど。
照史、神山と仲良いん？」

「仲良いっていうか俺が推薦した子やもん。
淳太くんは昔からの神ちゃんの知り合いみたいで、俺も最近知り合った」

「そうなんや。
今度濵ちゃんのとこ連れてこうかなって」

「ええな！
じゃあ俺濵ちゃんに連絡しておくわ。
予定はあとで合わせよう」

「飲み会になるとめっちゃ張り切るよな。笑
あとさ、今度病院の製品説明に神山も連れて行こうかなって思ってるんやけど、ええかな？」

「来月のやつやろ？
ええよ。俺と３人な」

「また連絡するわ」

俺が担当する病院の営業は定期的にあっていつも照史を誘って行くんやけど、来月は神山も連れて行くことにした。

神山にはこの前話してあって、緊張するけど楽しみですって言ってくれた。
先輩としてたまには良いところ見せて、仕事に興味を持って欲しい。できれば俺にも。

最近は神山が一人で出来る仕事が増えたからずっと指導してるわけじゃないけど、だいたい一緒にいる。
俺が、流星以外の特定の人とずっと一緒にいるのが珍しいらしくて周りから驚かれる。

先輩後輩やけど、どこか兄弟のような友達のような、それ以上に深く知っていたい特別な存在になっていた。

・

「今日は神山くんと一緒じゃないんですか？」

「ん、今日は研修やって」

「本当2人良いコンビですよね。
重岡さん、前より雰囲気柔らかくてなった気がします」

「そう？」

「はい、
前は笹本さんに伝言頼んだり、重岡さんに話しかけるタイミング聞いてる子多かったんですよ」

「あー、だからか」

やたらあいつが話しかけてくるのはそういうことだったのか。
皆んな全然話しかけてくれてええのに。
いきなり愛想は良く出来ないけど仕事に支障でないくらいには話せる。

最近は、流星と小瀧を含めて４人で昼ごはんをとることが多い。

眠たそうにしてると、神山が起こすから昼寝して下さいって声かけてくれる。
神山の隣やと安心して昼寝出来るねん。
起こすのも優しくて、甘えて欲しいのに俺が神山に甘えてばっかや。