パープルベルベット《JUN》 (ページ6)

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６．夜の街ページ6

外に出ると、少し秋めいてきた事もあって、肌寒かった。

A「最近寒くなってきたね。風邪引かないようにね。」

めぐ「うん！Aもね。また連絡する！」

A「はーい。気をつけて帰ってね。」

それじゃ、と言ってその場で別れた。

１１時にもなると人通りも少なくなって、少し早歩きになる。

「ねえ！」

自分に話しかけられたのか分らなかったけど振り向くと、さっきのサラリーマンの１人が後ろに立っていた。

怖くて固まっていると、男は近づいてきて

男「待ってたんだよ。一緒に呑みたくてさ。」

A「…いえ、もう帰ります。」

と言って駅に向かって歩き出すと、男は横に並んで話しかけてきた。

男「１杯だけ！タクシーで送って行くから！！ねっ？」

A「困ります。すみません。」

走り出そうとしたその時、男が鞄を引っ張ったので、中身が道に散らばってしまった。
泣きそうになりながら手帳や携帯を拾っていると、男は

男「ごめんごめん。お詫びにおごるからさ！」

と言って肩に手を置いてきた。

さすがに気持ち悪くなって、うつむいて返事も出来ずにいると、道路の路肩に停まっていた
１台の高そうな車から人が降りて来た。