パープルベルベット《JUN》 (ページ22)

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２２．打ち合わせページ22

「この後打ち合わせだったんだけど、他の現場が押してるらしくて。2時間くらい空いちゃったんだよね。」

「えっ。でも…、誰かに見られたら。」

「誰かに？あ、あぁ。俺のこと知ってたんだ？何にもリアクションしないから知らないのかと思ってた。(笑)」

「嵐知らない人なんて居ないですよ。」

「そうかな？で、暇なの？」

そう言って、松潤は私にリボンのバレッタを差し出した。

私はそのリボンを受け取って、トレンチコートのポケットにしまい、なんて答えて良いのか分からずに黙ってしまった。

「無理にとは言わないけどさ。近くにうまい店あるんだよね。ダメかな？」

松潤に困った顔でお願いされて断れる訳がないよ。

「えっと、2時間なら大丈夫ですよ。でもこの格好だと、結構目立ちますよね。」

私たちはお互い自分の格好を眺めた。

「…たしかに。これだとすぐにバレるな(笑)じゃあタクシー拾って、いつもの店に行くかな。」

「いつもの店？」

「あぁ。あそこなら個室あるから。」

そう言うと携帯を取りだし、店に電話をかけて予約を入れた。

「個室とれた。行こっか。」

胸ポケットに携帯をしまいながら廊下を歩き出した彼の後ろを私は駆け足で追いかけた。

廊下の曲がり角の所で彼は急に立ち止まって、

「ってか、名前聞いてなかった。」

と、振り返って笑った。