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Another Story ページ12
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「あ……」
また寝てる。
俺には好きな人がいて、
手が届きそうで、届かなくて。
自分だけのものにしたいけど
この距離感が今はちょうど良かったりもする。
「北山〜」
「んーー……」
体育祭の実行委員で居残りをしていた北山。
俺が部活終わり教室に戻ると、
案の定 机に突っ伏して寝息を立てていた。
「起きないとイタズラしちゃうぞ〜」
ちょっとした音なんかじゃ起きないって分かってて、
だけど一応、声に出してみる。
可愛い顔して寝やがって。
…眠り姫かこいつは。
北山。
いつか絶対、俺だけのものになってほしい。
願いを込めて、可愛い頬っぺたにキスをした。
「ん……」
このまま、この瞬間が
目を覚ましてしまいませんように。
なんて…。
「…あれ、ふじがぁ……あ、俺寝てた…？」
「おはよう北山、…帰ろっか？」
明日も、明後日も、…10年後も、
君を起こすのは、僕だけでありますように。
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作者名：はむ
| 作成日時：2017年4月20日 23時
