最終章─第３の宇宙─ ページ47
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星の海へと流れ出した青い地球。
しかし、１人の少女の“生け贄”によって再び創造されたこの世界。
地球はなぜ、この世界を何度も再生させようとするのだろう。
そして、なぜ忘却の淵へ投げ飛ばすのだろう。
人類は、地球は滅びゆくのになぜ生まれ変わってくるのだろうか。
「新しい世界を見るために、星は死んでいくんだよ。」
「え？ご、ごめん。聞いてなかった。」
「も〜ちゃんと聞いててよ！せっかく理科教えてるのに。」
「どーせ宇宙のことしか知らないじゃん。」
「でもAはその宇宙を知らないじゃん！今回の期末の範囲なんだから、ちゃんとしてよ。」
私は適当に頷くと、リュウジはふくれっ面で教科書を閉じて1枚の白い紙を取り出した。
怒りながらも私にちゃんと教えてくれるその姿勢が、リュウジらしい。
「宇宙って、どうやって生まれたかしってる？」
「知らない。」
「宇宙は、ある日突然ビッグバンって言うのが起きて、宇宙っていう世界をそこから徐々に拡げたんだ。最初の頃は星が無くて、どこを見ても真っ暗な暗黒時代っていうのがあったんだ。」
「へぇ〜」
「でもね、そこから一つの星が生まれて、だんだん増えて今みたいな宇宙になったんだよ。宇宙の果てが分からないくらいに拡がって、宇宙の果てに何があるのかまだ分からないんだ。」
「じゃあ、どこに天国はあるの？」
「え？」
「天国は、この世の果てってよく言うけど、天国はどこにあるの？雲の上はただの空気だし。」
私の難しい質問にも、リュウジは笑顔で答えた。
「天国はきっと、宇宙のことだと思うよ。」
死んだ人々の魂が、星となって生まれている。
星自体が、命そのものだから。
だから、星は新たな世界を見るために死んでいく。
再び、地球という世界を見たいがために、流星となって命の灯火が舞い降りてくるのだ。
決して不吉なことでもなんでもない。
１番不吉なのは、
この世を創った地球だ。
だって、
「死んでないし。」
「なんかいったか？ヒロト。」
涼野の問いかけに、基山は首を横に振る。
「ううん、べつに。それよりあの２人の邪魔しちゃ悪いよ。エイリア学園の騒動が明けてやっと和んでるんだから。」
「そうだな。」
この意味、わかる？
End.
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浜野鶴正(プロフ) - コウ様さん» わざわざすいません！長文ありがとうございます分かってきました！ (2018年10月7日 20時) (
レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
コウ様(プロフ) - 浜野鶴正さん» 子どもと地球に置き換えてみたら、次に子どもとは誰を指すのか、地球とは一体誰を指すのか、ここまで来ればこの話の伏線を全て拾えたことになると思います。この解説を見たら、もう一度この小説を読み返すといいと思います。また分からないことがあればぜひお尋ね下さい (2018年10月7日 19時) (レス) id: 73cb64b93d (このIDを非表示/違反報告)
コウ様(プロフ) - 浜野鶴正さん» リュウジは星のことについてどのように言っていたか振り返ってみてください。また、あんたがたどこさの歌詞で、たぬきと漁師が出てきますが、タヌキ＝子ども、漁師＝地球にして一旦置き換えてみましょう。そうすると、この話の黒幕が浮き出てきます。続�� (2018年10月7日 19時) (レス) id: 73cb64b93d (このIDを非表示/違反報告)
コウ様(プロフ) - 浜野鶴正さん» 第1の宇宙の話はどこか、第2の宇宙の話はどこか、それさえ分かれば何となく掴めてくるでしょう。では、なぜ第1、第2、第3と宇宙があるのかと申しますと、解説で申しあげた通り、リュウジの星の話とあんたがたどこさの2つがカギになってきます。続�� (2018年10月7日 19時) (レス) id: 73cb64b93d (このIDを非表示/違反報告)
コウ様(プロフ) - 浜野鶴正さん» 初めまして、コメントありがとうございます！！そうですよね、長いですが一つ一つ紐解きたいと思います。まず、最終章のタイトル、「第3の宇宙」に注目しましょう。最後の章で3つ目の宇宙という事は、それより前の話に、第1、第2の宇宙の話があったということです。続�� (2018年10月7日 19時) (レス) id: 73cb64b93d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コウ様 | 作者ホームページ：http://id37.fm-p.jp/484/eleven02/
作成日時：2017年7月2日 20時
