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俺は今怒っている。
1つは欲をわきまえられない馬鹿なあのサッカー部員に。
もう1つはここでもまた危機感のない藍沢Aに対してだ。
今回こそ文句を言わせてもらう。
振り返る前に一度怒りを鎮めて思考を冷静に戻す。
まず、露出度の高いユニフォームで校内をうろうろしている事について説教だ。
それから男とこんな場所で2人きりになったこと。
いや、そもそも断るつもりの告白は呼び出される前に一刀両断しろよと言ってやるのだ。
そうだ、言ってやるのだ、と意を決して振り向く。
けれど
目に涙をいっぱい貯めて震える彼女を見た瞬間文句は吹っ飛び
抱きしめる以外の選択肢はなくなった。
『あか、し…っ』
「いいよ、何も言わなくて」
俺の胸の中でしきりに泣く彼女を見てひどく心が痛む。
惚れた女を他の男に傷つけられた。
あの時もう少し早くアクションを取るべきだった。
涙をぬぐう手の首には赤い痕がついている。
あのサッカー部員はもう一発くらいスパイクをぶち込んでやっても気が済まない。
でもとにかく今は、彼女にそっと寄り添う。
俺が来たからもう大丈夫
その一心で強く彼女を胸に抱き寄せた。
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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2020年6月2日 0時