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「あのさ、答えたくなかったらいいんだけど」
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２３ 愉快犯 ページ24
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俺の黒い傘と藍沢の青い傘が並んで駅へと向かう。
愉快犯
『なに？』
藍沢は傘を傾けて俺を下から覗き込む。
噂を耳にしてから少し気になっていたことを打ち明ける。
藍沢の恋愛事情。
「…どうして部則破ってまで彼氏作ったのかなって」
藍沢はそいつの事が好きだった？
聞きたいことを直球で聞くにままならず、どうにも回りくどい質問になってしまう。
うーんと空を見上げて少し考えるそぶりをする。
それからすこし時間をおいて、いつもの落ち着いた声のトーンでおもむろに口を開いた。
『どうせ青春みたいなことができないなら
なんか楽しいことないかなっておもったの』
部活に打ち込む女子高生、とは程遠い、愉快犯のような言葉に、ぞくりと背中が伸びる。
『って赤葦みたいな真面目な人には引かれちゃうかな』
おかしいでしょ？とでもいうように苦笑する。
藍沢、気を付けないと。
純粋可憐な君の「悪い」言葉に、誘発される男は俺だけじゃないんだから。
彼女のがら空きの右手を見て思う。
奪ってしまおう。
どうせ手に入れることができないなら、他の誰かに取られてしまう前に自分のもとへ。
誰もが目を奪われる強さと美しさ。
その本質は、脆くて隙だらけ。
そこに付け込むような男を知らない無垢さ。
俺の全身全霊が、彼女が欲しいと震えた。
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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (
レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki | 作成日時：2020年6月2日 0時
