赤葦京治の寝起きは悪くない【赤葦京治】 (ページ3)

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１年生の春。周囲が部活の見学に勤しむ放課後、俺は既に練習着を着て先輩たちの練習に交じっていた。

梟谷に来たきっかけはそれなりに学名高い事、家からアクセスが良い事などあるが、大部分は男子バレー部の強豪である事だ。ゆえに入学式が終わったらすぐにバレー部を見に行き、気の良い先生と先輩方の許可を得て、早々から練習に参加させてもらっている。強豪なだけあって周囲の技術ややる気に奮い立たされ、高校３年間を部活に捧げる事に何の迷いもいらなかった。

「へーい！そこの黒髪のくせっけの子！目ぇの死んでる子！」

まさか自分の事だとは思わず、背後の大声に何事かと振り返ると、つんつんとした灰色の髪の毛のガタイの良い先輩がこちらをビシッと指さしていた。

「え、俺ですか？」
「そう！君！」
「赤葦です」
「あかーしくん！あかーしくんさあいートス出すじゃん！ちょっと自主練付き合ってよ！」
「はあ…俺でよければ」

そうして俺は部活を始めたかなり初期から、後に大エースとなる木兎さんの自主練にみっちり付き合わされ……付き合せてもらっていた。

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