なないろのーと 2 (ページ10)

今日:15 hit、昨日:17 hit、合計:15,925 hit

葛藤ページ10

Side You 〜2013.12～

デジャヴだと思った

見た事のある部屋、顔

やられたって、瞬時に悟った。

耳に入ってきた言葉は、あの日と違って1人ではないってことだけで

なんか、私って無力やなぁって

頭の片隅に、すごく他人事に感じてる自分がいる。

ただ。

あの日、断りを入れた日に、
もうひとつ伝えていたはずのことすら無かったことにされて

それに対して生まれた感情を、自分も、周りも止めることが出来ずに溢れ出る

『.......話が違うやないですか』

「なな？」

『私、言いましたよね、8じゃないと意味ないって。』

一番最初に出たデビューできるかもって話

それから、なんとなく8人で、必死に関西ジュニアを引っ張ってきたつもり

1じゃだめなんだと。

8じゃなきゃ意味ないんやって、伝えたつもりやったのに。

“ じゃあ、七星は抜けて4人でデビューしてもらうか？”

『っ、だから、』

橙「なな、」

事務所は分かってる

8じゃなきゃって言ってる私が、その提案に乗らないことも

最終的に、

『......わかり、ました』

私が受けいれてしまうことも。

部屋を出た私たちは、誰一人として口を開くことはなく

無言のまま言われた通りに動いていく

こんなんじゃあかんのに

絶対こんなの間違ってるのに

これが最後かもしれないデビューのチャンスを願っていた形とは違えど、掴んだお兄ちゃんたちと。

大事な相棒を失った弟たちと。

大切な仲間を、ひとつにしてあげれなかった私と。

きっと、

みんな思ってることは同じなのに

ようやく口を開いたのは、カウコンのリハーサル

立ち位置がどうとか

どこで発表するとか

必要な話だけを、業務的に済ませていく

でも、でもなぁ

やっぱり私、諦めたくないねん

内密に、と別室で用意された部屋を出ようとすれば後ろから誰かに手を掴まれる

赤「なな、待って、他のみんなもちょっと話しませんか、」

振り返れば、いつになく真剣な顔したしげと目が合って

静かに頷いて、5人で丸く円になる

誰もがきっかけを伺う中

やっぱり最初に口を開いたのはしげ。

赤「おれ、諦めたくないです。神ちゃんも、流星も、濱田くんも、8人がいい。

やから、他の4人の意見が聞きたい、です、」

「俺はこれがチャンスやと思ってる。8人がいい。それは俺も一緒やけど、そこに拘ってこの話無くなるんやったら、、、どうしようもないんちゃうかな、」