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Side Junta 〜2013.11〜
その1週間後
ななが、またもや事務所に行った
今度は自分の意思、らしい。
何をしに行ってるんかほんまに分からへんけど
そんな楽しそうでは無いことだけは確かで。
その日、リハがなかったからと通知がくる
A淳太くん、迎えに来て欲しいです
Juntaどこ行ったらええの?
A最寄りで大丈夫です!
駅まで迎えに行けば、この前とは違って
何となくスッキリしてるななの表情
5年も付き合えば、隠しててもそれなりに上手く甘えてくれるようになったし
言葉がなくても、伝わることが、伝わってしまうことがある
いいことも、悪いことも。
「今回は、迷子ならんかったんやな」
『はい、大丈夫でした!』
相変わらず外での徹底ぶりはすごいけど、お互いのためやから。
呼び出された割に、ほんまに大した話をした訳ではなくて
事務所で、誰に会ったとか、お弁当これ食べて帰っただとか
あっという間に家まで帰り着くから、本当にただのお迎えで。
いや、全然いいねんけどさ
ほら、やっぱりその、前回のことから少しは構えてたわけで.....
『あ、しまった』
「え、なに」
『今日2人とも夜勤やのに鍵忘れた、』
前言撤回。
徹底するなら、最後まで気を抜くな。笑
「、まあ、おかんも久しぶりになな来たら喜ぶわ、笑」
『わーい、淳太くんママのご飯!』
「弁当食べて帰ったんちゃうん?」
『それはそれ、これはこれです!』
ちゃっかりしてんなあ
なんて笑ってた
悪夢が始まる1か月前。
その日の夜、電気も消してベッドの上、もう寝るだけって時。
『じゅんくん、』
「ん?」
『もし、私がジャニーズじゃなくても、好きでいてくれる?』
半分寝てんのか、ちょっとおかしな日本語で、変なことを聞いてくる
「なんやそれ、当たり前やん」
『そっか、良かったぁ』
「Aもそうやろ?」
『うん、でも、』
「でも?」
『じゅんくんは、絶対アイドルだよ。これまでも、これからも.......』
「そんなん、Aも、って寝てるし」
正直、デビューの話が出てから時間が経ってる
消えた、なんて思いたくないけど焦ってるところはあって
いろいろ動いてみたりしてない訳では無いねんけど
正直、どう転ぶか分からへん。
「絶対、8人で笑ってたいんやけどな、」
呟いた声は誰にも届かず消えていった
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作者名:るん | 作成日時:2023年5月14日 1時