なないろのーと 2 (ページ14)

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Side Junta ～2013.12～

1か月前。

明らかにおかしかったあの時、こんなこと1人で考えてたんか、なんてどこか他人事にすら感じる

気づいてあげられなかった悔しさと

何も分かってなかった未熟さと。

『ただでさえ、女やからってこんなん、みんな嫌なはずやのに、そのうえソロデビューなんて、』

赤「嫌とかそんなん、思うわけないやん」

『周りは、そうかもしれへんけど、世間はそんな簡単じゃないよ、きっと』

桃「そんな、」

『けど、』

「けど？」

『やっぱりみんなのことは信じたかったから、だから8人って、言ったのに』

『これじゃ、濱田くんたちからしたら、』

確かに、今日の話を聞いていても

この5人の立ち位置でセンターはななで

一般的に見ても、事務所の紅一点とその仲間達、みたいな構図に思われかねない

そしてそれを、何も知らない3人が見たら。

橙「でもさぁ、」

突然、ずっと黙っていた照史が口を開く

橙「確かに、なんも知らん人達からしたら誤解されることは沢山あるかもしらんけど」

橙「俺らが8人でデビューしたいって願いを叶えるためには、大きな手がかり掴めたなって、ななの話聞いて思っちゃったな、俺は。」

『え？』

周りみても、誰1人話の流れについていけてなくて

今の話のどこに、8人でデビューする手がかりがあったのか

ひたすら頭をフル回転させる

橙『え、考えて？ソロデビューがななの一言で5人にまで増えてんねんで？このままヤダヤダ言うたら8人に出来るかもしらん』

「無くされる可能性もあるけどな。」

橙「淳太くん！そんなネガティブなこと言わんといて！」

「まあだから、それを止めるためにも、」

橙「明日は5人で発表するしかない、ってことや」

いつの間にかななとしげの喧嘩の仲裁とか関係なしに

1が5になったってすごいなあ！って

4人増やせたならあと3人くらいいけるやろ！って

俺ら2人で盛り上がる。

『あの、でも、濱田くんたちには、』

橙「とりあえず明日連絡しよ、デビュー決まったこと、俺らは諦めへんこと、向こうにも諦めて欲しくないこと、ちゃんと全部伝えよ」

『私がここにいるの、3人は嫌じゃないですかね、』

赤「あーーーもう、うるさいなあ、嫌とか！思わんって！何回言うたら分かんねん！」

桃「ななちゃんはもうちょい自信もっていいと思いますよ、ほんまに。」

やっと、5人それぞれちゃんと笑えた気がした。