甘い日常 (( 永瀬 廉 ))

39: 7things。 ページ39

‥









放課後、教室で音楽を聴きながら勉強していたとき




不意に片耳のイヤホンを外されて、ぱっと顔をあげると





「 っ、…なんだ廉か〜…心臓止まるかと思った、、 」





『 ごめんごめん、ここに居るって聞いたから来ちゃった 』









そう言って廉は私の前の席にこっちを向いて座った。






『 なあ、何聴いてんの？ 』





「 んー、これ？

うんとね、マイリーサイラスの7thingsって曲だよ 」





『 洋楽？ 』





「 うん、そうだよ 。

すごくいい曲だから、これ好きなんだよね 」






『 え〜まじか、

ざっくりでええから歌詞教えてくれへん？ 』







「 え…うん、いいよ。


合ってるかどうかわかんないけど、ちゃんとやるのはサビだけね 」







こほんと一呼吸おいて







「 まず、この曲はね、女の子目線で書かれた歌なんだけど、


サビではその相手の嫌いなところを7個言うんだけど、最後には好きなところを7個言って

結局彼だけなんだわってなる…ってこれ伝わってるかな？？ 」






『 おん、分かるで 』







廉はずっと仲良しな友達だけど、こうやって二人きりになると心臓が煩くて仕方ない。








『 嫌いなとこはええからさ、好きなとこの方教えてや 』







「 いいの？


うんとね、

まず貴方の髪、それから目、古いリーバイスってこれはあんまりわかんないんだけどね 」






『 おん 』







自分で歌詞の内容を伝えてるだけなのに、目の前の廉にもふと当てはめて考えてしまう。








「 それで…その、キスしたらうっとりしちゃうのって言ってて、それから

…あ、そうそう。私を笑わせるし、泣かせもする。


手を握って指を絡めると、全てが上手くいく」





『 … ふーん 』





そう言って何故か廉の手が私の手を握って、そして指が絡まった。






「 っえ…、// 」




『 続きは？ほら 』





「 あのっ、… 私のよく知ってる貴方と一緒に居たいの、って言ってて、最後の7個目は… っ 」




言いかけて、そこで廉の顔が近づいて、ちゅって一瞬だけ唇が重なった。





『 …You make me love you.やろ？ 』








そう言われて、もう一度唇が重なった。






最後の意味はね、
私に貴方が好きだって思わせること、だよ。






(( fin. ))

40: 同窓会。(新婚生活。番外編)→←38: 夏恋。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す