甘い日常 (( 永瀬 廉 ))

4: 体調不良で 。 後編 ページ4

(( 廉の部屋 ))









ベッドの中で苦しそうに息をしながら、すやすやと眠っている廉。









倒れてきたとき、ものすごく熱くて。









家には誰も居なくて、そういえば廉のご両親が仕事で海外に行ってしまっていたことを思い出した。
弟くんは居るけど、きっと廉が心配かけたくなくて熱あるって言えなかったんだろう。









おでこに貼った冷えピタを変えるために、いつもは触れない廉の前髪に触れると









『 …んんっ、 … 』









廉がうっすらと目を開けた。









「 あ、…ごめっ。


起こしちゃったね 」









廉のおでこから冷えピタを剥がして、新しいのに貼り替えると、冷たかったのか









『 頭きーんってする、… 』









と言って、シーツを握り悶えていた。









いつもは見れない廉の姿に、なんだか変なくすぐったい気持ちになる。









悶える廉の髪をゆっくり撫でる。





セットしてないから、さらさらで柔らかい髪に指を通すようにして撫でる。

これ、いつも廉がしてくれるから、いつものお返し。









「 りんご食べれる？ 」









こくん、と頷いた廉を見て、キッチンまで行こうとしたとき、うまく立ち上がれない。









見ると、私の制服の裾をぎゅっと握っている廉









『 …やっぱりんごええから、…行かんといて … ？ 』









廉は横たわっているから、自然と上目遣いで見つめられて、頬が熱くなるのがわかる。









『 …すぅ、…すぅ、… 』









あれからすぐまた眠ってしまった廉をあやすように撫でていると、起きた廉はさっきよりずっと元気になっていた。







『 ほんまありがとう 。






助かったわ 』









帰り際りんごだけ剥いて、ビタミンドリンクを渡して帰ろうとしたとき









『 今日のお礼や 』









そういってむぎゅっと抱き締められて、







『 ほんまはキスしたいねんけど、治ったらな ？ 』









体調が悪いときにしか見れない廉も好き 。

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