甘い日常 (( 永瀬 廉 ))

13: そばに居たい 。 ページ13

いつも通り、夜ごはんを食べて家で課題をやっていたとき、LINEの通知が鳴った。






差出人はサッカー部のマネージャーの子で、
内容は




" 永瀬くんが病院に運ばれた "



とだけ書かれてた。




その通知を見た瞬間、携帯を握りしめて急いで大きな病院までむかった。






頭が真っ白になって無我夢中で病室まで走った。
…ほんとは走っちゃダメなんだけどね。






受付の女の人に聞いた部屋番号の下には、永瀬廉と書かれたプレートがさしてあった。









コンコンとノックをすると、出てきたのは廉のお母さんで



｛ あら、Aちゃん ｝





と笑顔で迎えてくれた後、中に入れてくれた。







ベッドの上には



『 …っ、A …？ 』





包帯で頭を巻かれて、ぐったりとしている廉の姿。




｛ …私もう帰るから、また明日ね、廉 ｝




『 お、おん… 』






お母さんが気を利かせてくれたのか、帰ってしまって2人きり。








「 れ、んっ… 」






嗚咽でうまく話せない私を、廉は体を起こして、自分の方に手招きしてくれて






ベッドに座り、廉に向き直ると



優しく抱き寄せてくれた。





「 廉が死んじゃうかと思った … っ 」





『 あほ、あれくらいで死なれへんわ 。



軽い脳震盪や 、 他のプレイヤーとぶつかってしまってん 』






ぼろぼろと涙を溢す私の頬に手を添えて、とめどなく溢れる涙を優しく拭ってくれる廉。




『 … でも、ありがとうな 。


Aの顔見れて、元気でたわ 』






そう言っていつもの笑顔でくしゃっと笑った廉のそばに、ずっと居たい



そう思って、私から廉の頬に唇を押し付けた。






( fin. )

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