無事に 二 ページ2
俺が赤紙を貰い数カ月が経った頃、日本は虚しくも負けた
多くの友が海に沈んだ
それの悔しさと対比するように、お前の元へ帰れるという嬉しさが込みあがった
電車に乗り急いで故郷へと帰った
早く、早くお前に会いたい
足が進むのと同時に気持ちも募っていく
焼けて分かりにくかったが家がある道へ出ると会いたくて堪らなかったお前の声が聞こえた
「あの人は口は悪いし不器用だけど優しいんです。あんなに優しくて素敵な人はあの人しかいないしあの人以外は眼中には入りませんよ」
口が悪いは余計だ 優しいのはお前にだけだ
そんな事言うな 勘違いしちまうだろ
「私の初恋も、これから愛し続けるのもあの人…勝己、ただ一人だけです」
照れたようなお前の声
俺でいいのか……二度と離してやられねえぞ
少しずつお前の元へ足を進めながらそう思う
あと少しの所でお前は片付けへと行こうとするから思わず引き止めるように抱き締めた
「じゃあ、片付け手伝って「(ﾄｽｯ)」!!誰「さっき言葉嘘じゃないだろうな」!?」
俺より小さく細い壊れそうな体も優しい香りも全部、全部懐かしい
「勝己っ！」/「勝己」
口を両手で押さえ目を潤ませる母の震えた声とお前の声が俺の名を呼んだ
「ただいま」
「っ…おかえり…勝己っ」
俺の腕に手を重ね返事をしたお前は振り向こうとするとからより強く抱きしめた
お前が触れた事で忘れていた不安を思い出した
「さっきの言葉、本当か……」
「……本当よ」
「どんな姿になろうとも俺の事愛してくれるのか？」
情けねぇ、震える声に腹が立つ
お前の答えを聞くのが怖い
「……それは見てからではないと分からない」
落ち着いたお前の声。腕を少しずつ緩めていく
完全に離せばお前にゆっくりと振り向く
反応が怖くて帽子をギュッと下ろす
「これくらいで、貴方のこと嫌いになる訳ないでしょう……貴方こそ私がどんな姿になっても愛してくれるの？」
明るい声で声で言われた問いかけに疑問を持ったがすぐに意味が分かり急いでお前を見る
後ろ姿をよく見ていれば分かったかも知れない
だが、お前の姿を見た嬉しさで盲目になっていた
お前の右目には包帯が巻かれていた
「お前っ「その話はこんな所でしないの、家で話しなさい。Aちゃんいいかしら？」…分かった」
母の言葉にお前も俺も頷いた
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天魔神(プロフ) - みかんさん» そうなんですよ!せめて番外編だけでも二人を幸せにしたくてつくっちゃいました!!ぜひご愛読おねがいします(≧∇≦) (2018年4月26日 22時) (
レス) id: aed4fff229 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 新しいのが出てる…！！！二人は小さい時から仲良しだったんですね(^^)最後は二人とも幸せになれて良かったです (2018年4月26日 19時) (レス) id: 4389491407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フラミンゴ x他1人 | 作成日時：2018年4月25日 3時
