36話 二度目の ページ15
重い瞼をゆっくり開くと、
見慣れない病室の天井、そして横には和樹が椅子に座っていた。
「！早苗！よかった、目が覚めたのか！」
「和樹……。」
「お前もう三日も寝たきりだったんだぞ！
心配したんだからな……！」
「……ごめんね……。」
何故だろう。
和樹の声がとても懐かしく聞こえる。
私が聞き慣れた声のはずなのに、今思い浮かべる声の主は……。
「……神威……。」
「？どうした？何か言ったか？」
「…ううん、何でもない。」
「そっか。あ、飲み物買ってきたんだ。飲めそうか？」
「うん、ありがとう。」
ペットボトルの水を受け取り、ごくごくと飲んだ。
「…なあ早苗。」
「ん？何？」
「俺が告白したこと覚えてるか？」
「！忘れるわけ、ないじゃん…。」
「…それで、俺は自分勝手で、何だか恥ずかしくなってお前を避けちまった。
本当に、ごめん……。」
和樹が深々と頭を下げた。
「いいんだよ、気にしないで。」
今なら心の底から言える。
だって…。
「早苗、もう一度、告白させてくれ。
ーーーーー好きだ。」
「……ありがとう。気持ちはすごく嬉しいよ。でも……。」
私の好きな人は神威だから。
「ごめんなさい。」
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
((ガラガラ…
「早苗？優花だよー。」
「優花！」
久しぶりに見た優花は、前よりも日に焼けていた。
「‼早苗‼もう大丈夫なの⁉」
「うん！お見舞い毎日来てくれてたんだって？ありがとう！」
「……あたりまえじゃん……！」((ガバッ
優花が泣きながら私に抱きついた。
「早苗は私の親友だしっ！それに…ひっく……ううっ……私のせいで、早苗は……！ごめんなさい……っ！！」
私は親友の頭を撫でた。
「優花、もういいの。帰ってこれたんだし。」
「でもっ…！」
「はーい。それ以上謝ったら親友やめるよ？」
「え！わかった、もう謝んないから！」
「よろしい。」
またあの頃の様に優花と話せる。
こうやって友達と会話するのって、あたりまえなようであたりまえじゃない。
とても貴重で素敵なことだって、改めて感じることができた。
「…あれ？早苗何で私が毎日来てたって知ってるの？誰かから聞いた？」
「うん、何時間か前に和樹が来てね。」
「和樹が？謎だわな…。」
優花には和樹が好きだったことを話してない。
だから優花は何も知らない。
さっき和樹をふったのも。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どすこい(プロフ) - 双星大好き星人！さん» ありがとうございますなんて…！！こちらこそ読んで頂けて嬉しいです！！＼(^^)／楽しく作れたのでよかったです！ (2017年5月19日 18時) (
レス) id: c4d9b95dd0 (このIDを非表示/違反報告)
双星大好き星人！ - 神威推しなのでよんで見ましたが、めっちゃいい話じゃないすか！作ってくれてありがとです！ (2017年5月19日 15時) (レス) id: e93e803af6 (このIDを非表示/違反報告)
由良 - えっ��(ﾟДﾟ)生きてたら嬉しいす☆ネタバレ大好き♪( ´▽｀) (2017年5月4日 15時) (レス) id: 32c85edbc7 (このIDを非表示/違反報告)
どすこい(プロフ) - 由良さん» 本当に神威は死んだんでしょうか…？ネタバレになったらすみません！(T^T) (2017年5月4日 12時) (レス) id: c4d9b95dd0 (このIDを非表示/違反報告)
由良 - すみません。気になります！！です。 (2017年5月4日 11時) (レス) id: 32c85edbc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どすこい | 作成日時：2017年3月28日 15時
