386話 ページ49
隈「あの侍…間に合うかねえ…」
オ「大丈夫、心配無用!」
そのオイボレの言葉には強い確信がにじみ出ていた。
弥「おおおお、おおッ!!」
鯨波の手で押しつぶされていた弥彦は、持てる力も振り絞って、その手を持ち上げる。血だらけの弥彦の様子に警官らは驚く。
弥「おおお!!!」
新「少年!」
新市は立ち上がろうとするも、うまく立てず、びたぁと転んでしまう。
「オイ、自分のケガも考えろ!」
弥「ハア!ハア!」
体中が血にまみれ、立っているのもやっとの状態の弥彦に新市はこれ以上は無理だと感じるも、鯨波は攻撃を一向にやめる気配はなかった。
鯨「バッ、トウサイイイッ!!!」
攻撃されるたびに血を流す弥彦の頭を、鯨波は掴むと砲門を弥彦に向ける。
「ああ!!」
鯨「バットウサイ!!!」
「まさか、あのまま撃つつもりか!?」
しかし、弥彦は竹刀を鯨波に対して構える。新市は必死に弥彦を止めようとする。
新「!もういいッ!!」
鯨「バットウサイッ!!!」
もうやめてくれ!今こんなところで、無駄死にさせていい男じゃない!!そう思う新市は藁にもすがる思いで誰でもいいから、止めてくれと強く思う。そして、それは現実となる。突如として、鯨波は倒れる。と同時に、馬車で駆けつけた斎藤と蒼紫、診療所からは恵と操が到着する。
剣「飛天御剣流、九頭龍閃!!」
新「……誰だ…?」
操「緋村……」
恵「剣さん……」
斎「抜刀斎」
蒼「いや」
弥「剣心……」
緋村剣心、堂々の復活であった。
後日、新市小三郎提出の報告書より抜粋:その時、正直、何が起こったか、自分には全くわからなかった。閃光の刹那、突風と共に、轟音_______目の前に雷が落ちたかと思ったが、それも違った。一瞬後、気づくと大男は仰向けに倒れ、そして、視界の彼方に、その剣客が姿を表した。その様、正に、威風堂々!!
蒼「…………どうやら、答が見つかった様だな」
斎「さァ…どうかな…」
操「よし、緋村、行くよ!」
恵「その前にまず、手当てを!」
鯨「バットウサイイイッ!!」
「うわ、立ちあがった!」
「まだやる気か!!」
鯨波はなんとか立ち上がる。その様子はとても正気とは思えぬものであった。
鯨「バットウサイイ!!」
操「しつこいな、もう!かないっこないんだがら、いい加減諦めろって!」
恵「無駄だわ…既に正気に戻れなくなっているのよ」
鯨波は剣心に向かって砲門を向け、発射する。それと同時に剣心は鯨波の懐に入る。
鯨「グガアア!!」
剣「おおお!!飛天御剣流、龍翔閃」
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作者名：つっさん | 作成日時：2021年2月24日 16時
