もう一人の人斬り捌 (ページ46)

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383話ページ46

燕「もう、ビクビク、オドオドしないから………」
由「俺は絶対に剣術はやめねェ、やめてたまるか!!」
雷「剣術とはもともと、殺人のための技術。今の主流たる竹刀剣術などがまがい物である」
斎「悪・即・斬。それが、新撰組と人斬り(おれたち)がただ一つ共有した真の正義だったはず」
斎「お前の全てを否定してやる」
操「ちょっとね、人を探しているんだ」
操「一番想っている人を忘れる事の、一体どこが幸せなのよ!!」
志「動乱が終わったのなら、俺がもう一度起こしてやる」
張「人を斬るよろこび、忘れました言うんまら、このワイが思い出させてやるわ」
安「祈りや願い等では、何一つ救われはせぬ」
宗「不殺とか、弱い者を守るとか、あなたは言うけれど、それは間違いなんだ」
駒「勝って下さいませ、志々雄様…」
佐「志々雄様が負けるはずがないィィ～～～」
志「ハーッハハハハハハハッ!!!!」
縁「さあ、人誅の時間だ____」
縁「そこに貴様が探していた答がある」
剣「もういい…もう疲れ____…」
剣心がすっと目を閉じると、声が聞こえた。
燕「剣心さん!!剣心…さん……この間の闘いで捕まった四人の内の一人が脱獄して、暴れているんです…今、街への侵入を防ごうと、弥彦君が闘ってるんです…けど、まだケガも十分に癒えていない…武力の差も、体躯の差も有り過ぎる…剣…心さん…お願いします。弥彦君を助けて下さい………」
剣心は必死に訴える燕に何も言わなかった。
隈「…ま、最初(ハナ)から見えてたコトだがなァ。さあ、用が済んだらとっとと帰ん____」
燕の肩を隈が叩くと、燕はスッと膝を倒して懇願する。
燕「…お願い…ですから…もう一度…もう一度、立ち上がって…お願いします…お願いします…お願いします…お願い…弥彦君を…助けて…」
ボロボロと涙を流し、崩れる燕の姿は落人群の民をも驚かせた。それはあまりに悲痛な嘆きであり、言葉すらかけられなかった。
オ「もういいよ、お嬢ちゃん」
隈「オイボレ!」
オ「隈さん。済まんが、このコ、外まで送ってやって下され」
泣きじゃくる燕に優しく寄り添いながら、オイボレは隈にそう言う。
隈「オラ、散った、散った!」
燕「お願い……します…」
ほんの小さな声ではあった。しかし、その声が、剣心の頭の中で反響されていた。オイボレは剣心の隣に座る。
オ「………どうか、したかね…」
オイボレのその声に剣心は僅かながらに逆刃刀を握る。