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368話 ページ31

外「触れるだけで肉を裂き、括れば骨をも断つ。これ相手に闘うのが、いかに難儀か、貴様ならわかろうもの。無駄な労力は避けるに越したコトはない。私の「屍人形」を何処に隠した?夷腕坊大系が私の機巧師としての機能美の結晶に対して、あれは私の人形師としての造形美の結晶にして、かの人斬り抜刀斎の目をも欺いた最高傑作。あれは「人間」という神の造型に、私の造型が匹敵した証明!このまま腐らすには余りに惜しい。外法の歴史に残す価値がある!!」
興奮気味に話す外印に蒼紫は淡々としていた。
蒼「そんなコトはどうでもいい。先の問い質したのはこちらだ。西田Aは何処にいる?」
外印は淡々と聞いてくる蒼紫に落胆しているように見えた。
外「やれやれ。同じ様な黒装束を纏い、似た様な闇に息づく者同士、少々程度ならば、私の芸術家(あるていすと)魂を理解出来るかと思うたが、やはり貴様も、只の俗人…再起不能は覚悟せい、四乃森蒼紫!!」
次々に出る斬鋼線は墓石を裂き、木々を断ち、蒼紫の方へ向かってくる。しかし、蒼紫はゆらりと動き、当たることはなく、外印が再び狙うを定めるも当たらなかった。
外「…流水の動き…か」
蒼「水に裂く事、括る事は通じず…無駄な労力は避けるに越した事はないのだろう」
外「フフ…真顔で皮肉とは小癪……だが!!」
外印が右手を蒼紫の方に向けると、墓石が蒼紫に向かって斬鋼線に括られて飛んでくる。
外「裂く事、括る事、叶わねば、叩いて「飛沫」にするまで!」
後方から飛んでくる墓石を蒼紫は避けようとするも、集中砲火を喰らい、間に合わないように思われた。
外「縁も黒星も貴様も、総じて外法の人形使いをナメ過ぎだな。そもそも、夷腕坊大系は機巧を通してでも操作に尋常ならぬ力がかかる。常人が操ろうとしても、とても叶わぬ代物。指一本につき、200kgを支えつつ、1/10ミリ単位での微妙な操作を施せて初めて、動かすことが可能___…比ぶれば墓石を操ることなど、造作も無い。さて、そろそろ____」
墓石の山から蒼紫が小太刀を抜いた状態で立っている事に外印は驚く。
蒼「「そろそろ」なんだ…こちらの質問に答える気にでもなったか?」
外「御庭番式小太刀二刀流…今ので腕一本は頂戴したと思うたが、成程。聞きしにはるか勝る凄腕。それだけ、秀でた力が有りながら、この先、表の世界で生きんとせねば凡百に等しい。小料亭の主に収まるしかお前に道は無い。そしてそれが、江戸三百年、闇に生きた最大の外法集団」

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作者名:つっさん | 作成日時:2021年2月24日 16時

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