338話 ページ1
外「あ痛々々。やれやれ」
縁「派手にやられましたネ。大丈夫ですカ」
外「ああ。中の方は至って無事。心配は無用だ」
縁はその言葉を聞いて、ニヤリと口角を上げる。
縁「それを聞いて安心しました。これで心おきなく、人誅の完成に専念できます」
同じ頃、張は地下室にたどり着くと、思わず口を塞いでしまった。
張「…なんや、ココは…何かの実験室か…それとも腑分け場か…」
中には、瓶漬けにされたモノや血に汚れた刃物などがある中、机にある資料を手当り次第、目に通す。
張「何にせよ、ここの主はマトモな神経の持ち主やあらへんで、こりゃあ。こんなトコに長居は無用。とっとと調べて、さっさとおサラバ______…ン?………なんや、これ?」
張が何気なく手にした資料には目を疑うことが書かれていた。
その頃、縁と剣心が互いの思いを胸に、今対峙する。
縁「改めて聞くまでもないが、闘うことに迷いはないだろうな」
剣「ああ…今は、全力で闘う。そして、人斬りの罪____巴を殺めた罪を償う「答」を必ず見つけ出す…」
縁「その答なら、きちんと俺が用意してあり。お前にとって、最も、残酷な形のものを選んでおいた」
それが何を意味するのか、剣心はまだこの時、知らなかった。
恵「…何を話しているのかしら」
左「さあ小声でよく聞こえねェな」
『……聞こえない方がいい』
良い顔をしないAに二人は口をつぐむ。
縁「その前に、まずは抜刀斎。お前に傷の「痛み」を味わってもらおうカ。お前が姉さんの美しい体に刻んだあの傷の「痛み」…」
縁は外套を脱ぎ捨て、刀袋の紐を緩める。
縁「確か、
その刀剣は刃渡りの長い物であった。
恵「____やっぱり大陸帰りだけあって、刀剣も清国のものね…」
左「しかし長えな。なんて刀だ?」
薫「違う…」
『ああ、違うな。拵えが大陸のものであって、刀身その物は日本刀…しかも、太刀だな、あの長さ。だろ、斎藤』
斎「確かにな。尤も長さからしても、西田の言った通り、戦国期までの主流だった「太刀」の方だな」
斎藤は煙草をふかしながら、Aの意見に同意する。
恵「いったいどういうコト?」
左「ただのハッタリかもな。これまでの五人が五人とも正攻法じゃねぇ奴等ばっかりだったからな」
薫「でも、あの刀身の仕上がりの見事さ、とてもハッタリとは」
『狼狽えたところで何にもならない』
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作者名：つっさん | 作成日時：2021年2月24日 16時
