もう一人の人斬り玖 (ページ47)

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433話ページ47

縁「いくぞ!!!狂経脈倭刀術!」
剣「飛天御剣流!天翔龍閃!!」
剣心の左足の踏み込みからの斬撃を縁はかわすが、直後に吸い込まれる感覚が縁を襲い、理解する。前回の時はまるで違うものであり、左肩は可動域を超えて、ゴキィと折れる。
縁「ぐあ…」
剣「おおおお!」
それを遠目で見ているAは、縁同様に前回の時との違いを強く感じていた。
『そっか…答が出たからか……』
縁は亡姉・巴にすがる様に助けを求める。微笑ってほしい、微笑ってくれれば強くなれる。そう思うも、巴は全く笑顔を見せなかった。縁の目からは自然と涙が流れ、倭刀が手から離れる。逆刃刀は倭刀を破壊し、縁のかけていた黒メガネにヒビが入り、砂浜に落ちる。波の音だけ辺りに響く。
斎「剣閃を下げれば、下げられたものを。結局それか…」
蒼「だが、これでもう倭刀は使えない」
左「勝負有ったな」
弥「剣心の、勝ちだ!!」
恵「剣さん!」
操「緋村!!」
『剣心…』
一同は安心するも、呉は意識を取り戻し、粗い呼吸をしていた。
剣「ハ…」
剣心は体の力が入らなず、ガクンと体が崩れる。
恵「いけない!」
操「大丈夫、緋____」
剣心はなんとか体勢を治し、呼吸を荒くしながらも二人を静止する。
剣「まだ…でござる…………」
縁もまた、粗い呼吸をしながらギラリと剣心を睨む。
『……私闘(たたかい)はそれで終わりじゃないよな…』
縁「抜…刀斎……抜刀斎!」
剣「縁(えに)_____」
パアンという銃声と共に、剣心の右肩が撃ち抜かれ、流石の縁もそのことに驚く。
剣「ぐっ」
操「緋村ァ!!」
蒼「大丈夫だ。急所は避けている。だが」
呉「どいつもこいつもォ、人をコケにしやがってェエエッ!!」
呉は拳銃を二丁構えて、乱射する。
呉「殺してやる!!どいつも、こいつも、皆殺しだ!!」
動けずうずくまる剣心に狙いを定める呉の間に入る様にAが鯉口を切って出る。
『止めろォ!!!』
弥「A!」
操「Aさん!」
Aの後ろ姿が縁には、あの雪の日の巴と重なる。
呉「死ねェ!!」
パァンという発砲音と同時に、縁は呉を殴り飛ばしていた。Aは抜刀直前であり、驚きが勝っていた。殴り飛ばされた呉は後ろにあった松に強くぶつかり、ひどい出血をして白目を剥く。
縁「破、亜亜亜ッ!!」
『縁、待って!それ以上は_____』
再び殴りかかろうとする縁を剣心は止めに入る。
弥「剣心_____…」
縁「どけ!!」
剣「どかぬよ」
縁「どけェ!!」
剣「どけば、お前はこの男を殺す」