もう一人の人斬り玖 (ページ35)

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421話ページ35

呉は切迫した顔をするが、玄武は余裕そうな顔をする。
呉「大口叩くな!先程から、ガキ相手にピクリとも動けないくせして、お前が一番みっともないぞ!」
玄「この玄武、四神の四ツ子の中でも最も思慮深い闘いを得意とす…この小僧、先程から何か大技を狙っています。故に「動けず」でなく、「動かず」に見(ケン)に回っているだけのコト」
弥「こっちの奥義を察知してるわけかよ。さすがに四番目ともなると慎重だな。けど、だからって、いつまでも止まってられねェ。道は前にしか拓かねェ!いくぞ、神谷活心流奥義、刃渡り‼︎」
玄「成程、相手の武器を封じつつ、そのまま攻撃に転ずる技か。ならば、これで良し」
玄武が棍を回すと分離し、弥彦は攻撃ができずに砂浜に打ち付けられる。
恵・操「ああ!」
呉「おお!」
玄「フッ。この玄武蛇棍はただの棍に在らず。その正体は伸縮直曲自在の仕掛六節棍!この棍では、主の奥義は今し方の通り一切無効!」
操「ヤバイよ、緋村!」
恵「弥彦君!」
剣「「何故そんな輩共に勝てない」…ここに至って、まだボスがそんなコト、口にしている様では、この勝負も先は見えたでござるよ。大丈夫でござるよ。あの瞳(め)を見ればすぐにわかる…」
不安な顔をする恵と操に対して、剣心は立ち上がる弥彦の目を見て、そう言う。
玄「………いい瞳(め)だ。諦めるコトを知らぬ若い瞳(め)…その瞳(め)を昏く閉ざすは、さぞ愉しかろう‼︎敵は若ければ若い程に面白い!その長い将来を奪い取るは最高の愉悦!噴(フン)ッ!!」
弥「神谷活心流奥義、また…しまった!」
弥彦が刃渡りをしようとすれば、玄武は連結を外すと弥彦の右手首に分離した棍が巻き付き、投げ飛ばされる。
玄「撥(ハ)ッ‼︎もらった!」
玄武は弥彦が宙を舞う中、棍を再び連結させ、鳩尾で突くと地面に叩きつける。
玄「倒(トウ)ッ‼︎」
恵・操「ああ!」
玄「他愛無い。さて次は___」
恵・操「あ!」
弥「どこ見てやがらぁ‼︎」
弥彦は玄武に向かって突っ込んでいく。玄武にはそれが信じられず、顔をしかめる。
玄「小僧、まさか効いてないのか?」
弥「効いてねェ訳ねェだろ。ハラはズキズキするし、アタマはガンガンすらぁ。けどだからって、イテェイテェ言ってられるか。剣心に助け出されたAの第一声が「まだまだだな」じゃあかなわねねェ‼︎神谷活心流、一番門下生として恥じねえ闘いをして、勝って堂々とAを出迎えてやるんだ‼︎」