もう一人の人斬り玖 (ページ25)

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412話ページ25

斎「何事だ?」
「二番船、左舷破損、浸水です!」
「砲撃ではありません!」
「水中に何か…!」
その海中には木枠で囲われた爆弾「機雷」があった。
縁「「機雷」か………」
呉「エエ。銃火器と言えば西洋のモノと思われがちだが、そもそもその核となる火薬は我ら漢民族の発明!機雷程度、既に十六世紀に開発済み。入り江を中心に、二百個仕掛けた。あの大きな船では、これ以上の侵入は不可能。これより先は小船(ボート)でチマチマ入ってくるしか術は無い。それとて、機雷に当たらない保証はない。当たれば一撃で、木っ端微塵!!」
悪い笑みを浮かべる呉に対して、縁はいい顔をしていなかった。勿論、呉の予想通り、剣心一行は先に小船(ボート)に乗り移っていた。
「藤田警部補!」
斎「俺は一足先に行く!お前達は二番船の乗員を救助してから残りの小船(ボート)で順に来い!」
左「機雷に当たったらひとたまりもねェ!速度はおさえとくか⁉︎オイ」
操「グズグズしてたら日が暮れちゃうって!ここは私に任せて‼︎御庭番式苦無術、貫殺飛苦無、川蝉の嘴!」
弥「大丈夫かよ。一つ間違えたら、島まで遠泳だぞ」
恵「その前に三途の川を渡るかもよ」
不安気に一同が見守る中、操は水中にある機雷の位置を見定めようとするも、なかなか定まらない。
蒼「距離六十一.五米、右二十九度七分だ。水中を見ようとせず、波の変化に集中して見極めればいい。射て」
操「はい!!貫殺飛苦無、“川蝉の嘴”‼︎」
射たれた苦無は見事に機雷に命中し、水柱が上がる。
操「命中!よっしゃ‼︎見た、緋村!まずはあたしが一番手で手を貸すよ‼︎」
剣「ああ。よろしく頼むでござるよ」
左「よっしゃあ、そうと決まりゃあ、全速でいくぜェ‼︎」
左之助は櫂を動かして、操は進行方向にある機雷を破壊していく。その光景は呉にも見えており、唖然としていた。
呉「どういうコトだ?あの小船(ボート)の前の機雷が悉く自爆している?」
縁「来たか…」
困惑を見せる呉を他所に、ニヤリと縁は一人笑う。
左「よし‼︎上陸開始だ‼︎」
緋村剣心、明神弥彦、相楽左之助、斎藤一、四乃森蒼紫、巻町操、高荷恵の計七名が上陸する。
蒼「…待ち伏せの兵は無しか…」
左「かと言って、島に全くいねェって訳でもねェだろ。どうする?一気に突っ込むか?それとも慎重に進むか?」
左之助が剣心にそう聞くと、剣心は声を張る。