もう一人の人斬り (ページ45)

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45話ページ45

石「……今度こそ貴様を斃す!!」
剣「………」
石「そして吾輩は我が真古流の時代を築くのだ!!」
雷十太は刀を大きく振りかぶり、空を切る様な音をたてた。
石「ぬん!!!!」
しかし、何度も見せられた技はある程度の予測ができる為、剣心はあっさり避けた。
石「!」
『驚く必要は無いですよ。何度も見ればわかりますし、俺達を怒らせたんだから。どうなるかわかりますよね?』
Aは口角を上げるも目に光が無く、感情が読めなかった。左之助と弥彦は初めて見るAの様子に驚くが、Aは気にせずに、二人に言う。
『俺を見ないで剣心の方を見ましょうよ。決着なんてはじめからわかりきってる事なんですけどね』
左「お…おう」
石「ぬ…うう。ならばこれでどうだ!!ぬん!!!!ぬんぬんぬんぬんぬんぬん!!!」
弥「「飛飯綱」の乱れ撃ち!!!」
弥彦が驚いている間、剣心は全ての攻撃をかわしていたが最後の一撃が剣心の手首の近くをかすり、出血した。雷十太は攻撃が当たった事を大いに喜びを見せる。
石「ハッハーーッ!!!見たか。これが「飯綱」だ!古流に秘伝書より見出し、十年の歳月を費やして会得した我が秘剣!た易く破れるものではないわ!!これこそ我が真古の象徴!そして…究極の殺人剣!!!!」
剣「嬉しいか?」
いつにも増して低く落ち着いた声で言うと雷十太は呆気にとられた顔をする。
石「あ?」
剣「たかが、こんなカスリ傷を負わせただけでそんなに嬉しいとは大した殺人剣だ」
剣心は傷口を舐め、目は抜刀斎の頃と似ていたが、完全に戻ってはいなかった。雷十太は驚きが隠せない顔をし、突然に頭を冷やされたようだったが今更気付いたところで遅かった。
弥「剣心!!」
左「_____……」
『剣心、やっぱり雷十太って…』
剣「嗚呼。殺人剣を唱えているが人を殺めたことが一度もない」
Aは岩の上で膝を抱えて座りながら頬杖を付く。
『雷十太…由太郎から剣術を奪った代償は大きいぞ。腹を括る事をお勧めするよ。剣心なら多少は手加減してくれるはずだから…それと剣心、右腕動かせないんだろ?ゴメンな、俺のせいで』
剣「ああ、問題無い。ただ、縫合の時の麻酔がまだ効いていて思うように動かぬ。だが雷十太、お前如きを倒すには左腕で十分でござるよ」
雷十太は怒りに震え、目は血走る。
石「怒っーーーッ!!貴様ぁー!!どこまでも吾輩を愚弄しおって。もう許さん、殺す!!」
雷十太は纏飯綱と飛飯綱の連携攻撃で迎え撃つも、剣心は避け続ける。