42話 ページ42
雷十太は避けられたことに対して舌打ちをすると左之助はニヤリと笑う。
左「夜道で背後から不意討ちかよ。いよいよバケの皮がはがれてきやがったな」
由太郎は必死に弁明をしようとする。
由「違う。今のはただのアイサツがわりだ。今のは全然本気じゃなかった。そうですよね、先生!」
由太郎が言う事に対して聞きもせず、剣心とAをの事を見て、Aは光の無い冷たい目で言い放つ。
『気配を消すのは上出来だか、詰めが甘いな。剣心、薫を頼む。雷十太、今回は俺が相手だ。かかってこい』
石「ぬん!!!」
飯綱をかわし、雷十太の背後にAが立つと雷十太は飯綱の乱攻撃をする。
石「ぬおおおう!!」
薫と弥彦はその異常さに驚く。
薫「Aさん!!」
弥「!」
薫は悲鳴のような声でAを呼ぶが、Aは雷十太からの攻撃を避け、雷十太の背後にいた。外れた攻撃は周辺の木々や岩をも断っていた。左之助は冷静に弥彦に言う。
左「俺が剣心と闘った時と似た様なモンだな。どんなに威力があってみあたらなきゃ意味がねぇ」
雷十太は一向に攻撃を止めず、目潰しまで仕掛けてきた。由太郎は絶望的な顔をしていた。
石「ぬう」
由「先生!!」
石「ぬん」
左「甘えって」
勢いよく刀が振り下ろされた。しかしそこにはAがおらず、直後Aは淡々と
『龍槌閃・改………峰打ちだが痛いだろ?』
石「ぬ゛う!……」
Aは刀を構え直すと雷十太はニヤリと笑う。
石「どうやら貴様は「纏飯綱」の方では倒せんか。こちらの「飯綱」は奥の手だったが止むを得ん!!秘剣!飛飯綱!!」
剣「A!!」
攻撃は一切見えず、気が付けばAは剣心に腕を引かれていたが、剣心は右肩に傷を負った。すると、Aの後ろにいた由太郎の右腕がスパッと切れる。
『由太郎!!!』
Aが走って由太郎のそばに行き、既のところで由太郎を抱えるも出血が多かった。薫と弥彦は慌てた様子である。
弥「!」
薫「止血して早く医者に___」
しかし、雷十太は慌てもせずに冷たい態度を取る。
石「放っておけ。急所に当たらなければ死ぬ事はない」
『へぇ…弟子を弟子としてみて無いってことか。金目当てか?そうだろう?道理で竹刀を含めた刀の構え方を知らなかったわけだ。これなら、道場に来たときの状況が理解できる。まさかとは思うが、これでも尚勝負をしようって言うなら俺はゴメンだ』
石「敵前逃亡か?!それなら吾輩の勝ちであると認めるのだな!いいだろう!!」
由「先…生ぇ…」
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作者名：つっさん | 作成日時：2019年10月1日 9時
