14話 ページ14
厨に居た剣心は動揺を隠しきれない様子である。
剣「弥彦!どうしたでござるか?!」
弥「隼人に殴られた…見ちゃいけないものを見たから…」
剣心は内心では、後で何と謝れば良いか、と気落ちと動揺をする。
剣「とっ、取り敢えず湿布を貼るからこっちに来るでござる!」
弥「おう…」
弥彦は剣心の動揺具合に引き気味であった。剣心は弥彦の腫れている頬を見て、どれだけの勢いで殴ったのだろう?と治療をしながら、考えているとAが謝りに来る。
『すまなかった!勢い余って殴ってしまって!』
正直、驚いたが、弥彦自身にも非があると感じてはいた。
弥「俺も確認無しで入ろうとした訳だから…そのお詫びとして、俺に稽古をつけてくれ!強いんだろ?剣心は稽古つけてくれないから」
『弥彦が構わないならいいけど?あっ、明日は用があるから明後日で良いか?』
弥「やったぜ!約束だからな!」
そう言うと、弥彦はウキウキしながら風呂へと向かっていき,剣心とAはそんな様子の弥彦の背中を見送った。
剣「A…すまなかった…その…入っている事を忘れててな」
『良いよ。話すきっかけになったから…何の道、こうなるのは見えていたし』
剣「そう、か。今度何処かに一緒にでかけよか…茶屋とかどうだ?」
『奢れよ』
剣心は思いの外Aが怒ってなくて安心する。弥彦とほぼ入れ違いで薫が来る。
薫「剣心。今日の夕飯って何?」
剣「おろ、薫殿か。今日は大根の甘辛煮と菜っ葉の煮浸しでござるよ」
薫「やったぁ!私、手伝う事ある?」
剣心は内心、まずい…Aには薫殿のあれは食べずにいて欲しい…と思い、考えるフリをして少し距離をとった。
剣「そうでござるな…あっ、深めの器を出してはくれぬか?」
薫「これね、はい。他は?」
剣「ありがとう、薫殿。後は大丈夫でござるよ。すぐにできる故そこで待ってるでござるよ」
薫「わかったわ。それと隼人、食後に私の部屋に来てくれる?さっきの件で確認したい事があるの」
『わかった』
確認したい事の内容が気になるが、先に仕上げるのが先だと言い聞かせて体を動かした。
弥彦が上がる頃には出来上がり、盛り付けを始めていた。弥彦は頭をワシワシと水気を飛ばしながら、台所に来る。その後、当たり前のように左之助が来る。
剣「出来たでござるから、早く座るでござるよ」
左「おっ!夕餉は甘辛煮か!」
弥「左之助!それは俺の分だぞ!何食ってるんだよ!?」
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作者名：つっさん | 作成日時：2019年10月1日 9時
