52 其処が居場所 ページ2
「・・・迅さん・・・なんで・・・」
「未来が視えたから・・・ソラノちゃんが川に飛び込もうとしている未来が・・・」
迅の言葉にソラノは苦笑いする
「流石、迅さん・・・」
「小南達にも連絡しないと・・・皆、ソラノちゃんを探していたんだよ」
迅は携帯を触りながらそう言う
「・・・」
「びしょ濡れだね・・・タオル1枚しか持ってないよ」
「なんで、探したんですか??」
「・・・ソレは小南達から聞いたら分かるよ、俺は前に言ったでしょ??ソラノちゃんを同じ人間として見ているって、居場所は此処だって・・・」
「・・・」
迅のその言葉にソラノは何も言わない
「玉狛に帰ろう・・・ルシフェルも待ってるし、小南達も玉狛に今戻ってるから・・・」
「・・・」
迅のその言葉にソラノは何も言わない
「・・・戻りたくない??」
歩こうとしないソラノに迅はそう言う
「・・・怖いんです、迅さんやレプリカさん、あの人達は僕の事を不老不死と知っても普通の人間だと言ってくれた・・・けれど、迅さんを除く玉狛の人達は??ルシフェルが僕の事を話したのは知っています・・・けど、会った時の反応が怖いんです、化け物だと言われるのが」
ソラノは泣きそうな顔でそう言う
「いや、実際もう何億年も生き続けている化け物なんで何言われても良いんですけど、言われるってなると怖くて、だから逃げたんです・・・」
「ソラノちゃ「化け物??違うでしょ!!」・・・あっ」
「!?小南さん??」
小南の声が聞こえたソラノは迅の方を振り返る
「ごめんね、小南と携帯繋げてたんだ」
「じゃあ、今の会話・・・」
「聞いていたわよ!!ソラノ、良く聞きなさい!!貴方が不老不死だとしても1人の人間に変わりはないし、玉狛支部の人間だって事に変わりはないの!!そりゃあ、不老不死だって聞いて驚きはしたけど・・・だから何??今、私達と一緒に生きている事に変わりはないでしょ!!」
「小南先輩、俺達が言いたい事全部言いましたね・・・」
「何よ!!とりまる、ソラノの会話聞いていたら居ても立っても居られなくなったんだもん仕方ないじゃない!!良い、ソラノ!!私達は全員ソラノを1人の人間として見ているから!!何も心配しなくて良いの!!だから、帰って来て、此処が貴方の居場所なんだから!!・・・迅!!ソラノを絶対に連れて帰ってきなさいよ!!」
小南はそう言って迅との電話を切るのだった
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作者名：楓花 | 作成日時：2021年3月2日 23時
