第42話 ページ41
｢よし、終わったぞ｣
｢ありがと〜｣
｢ドリア食うか？｣
｢食べる！｣
二人でキッチンへ向かい、キヨが買ってきてくれた物を全て袋から出し、その中のドリアを手に取り温める。
｢これはキヨの？｣
唐揚げ弁当とおにぎり2つを取りキヨに見せる。
｢そう、腹減ったから俺も一緒に食うわ｣
｢大量だね｣
｢普通だろ｣
｢いや普通じゃねーわ｣
食欲なくても食べれそうなものばかり。
改めてキヨの優しさを感じる。
｢あ、これ冷凍庫入れてもらえる？｣
昨日も買ってきてくれたアイスをキヨに渡しながら言うと、はいよと返事をして扉を開ける。
｢お前wwこれまた戻したのかよwww｣
冷凍庫の中を見て爆笑しているキヨに、何？と聞くと、昨日溶けて戻したアイスを見せられる。
｢あ、それ、溶けてたからまた凍らせればいいのかと思って…｣
｢普通もう食わねえだろwww｣
｢だってもったいないじゃん！！｣
｢お前知らねーの？アイスって一回溶けたヤツをまた凍らせるとクソまずいんだぜ｣
｢…え゛｣
ただでさえ鼻声なのに衝撃的な事実を聞いてひどい声が漏れる。
それを聞いたキヨはお腹を抱えて笑っている。うるさい。
｢もーいいからご飯食べるよ！！｣
｢はいはいwww｣
部屋に着くと、温めたドリアを食べる。
昨日は朝食パンかじっただけで、何も食べていなかったので久しぶりのご飯に感じる。
キヨも相当お腹がすいていたのかもうお弁当を半分たいらげている。
｢朝食べてないの？｣
私の問いかけると、唐揚げを頬張りながらおう、と返す。
｢食べてくればよかったのに｣
｢お前一人だと思ったから一緒に食おうと思って｣
意外な一言に驚いてスプーンを持つ手が止まる。
｢なんか昨日から優しすぎない？｣
｢…っ！俺はいつも優しいっての｣
一瞬驚いた顔をしたが、すぐににやっと笑って返事をする。
｢この前私のことど突いたのに｣
｢あれはお前が何度呼んでも聞こえてなかったからだろ！｣
｢イヤホンしてたんだもん！！！｣
｢知るか！！！｣
｢はあ！！？｣
さっきまでの優しさが嘘だったかの様に、いつものキヨといつもの様に話をする。
やっぱり居心地いいなあ。
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作者名：白虎 | 作成日時：2016年2月12日 3時
