【実況者】こんなに好きなのはあなたが初めて【キヨ】 (ページ29)

今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:6,991 hit

第27話ページ29

そんなことを考えていたらステージから聞こえるキヨとフジの声。
いつの間にか決まっていた罰ゲームの内容をゲームで一位だったキヨが決めるらしい。

「じゃあ…」

「おお？キヨの罰ゲームが決まりましたぞ！さあ一体何になるのか…！！」

「なになにー？」

さすが司会慣れしているこーすけ。
ヒラはそれに相槌を打つようにしてキヨを見つめる。
一方フジは無言で手を組み下を向きながら何かを祈っている。

「「「「……………」」」」

「いや長ぇなおいっ！！」

長い長い無言の間に耐えきれずこーすけが突っ込むと観客とメンバーの笑い声が会場に響き渡る。

「よーしじゃあ！わさびで歯磨き！！！」
「決まりましたー！わさびで歯磨き！！」
「wwwwwwやばーっ！www」
「え、待って何それ待って絶対やばいって」

盛り上がる会場とは別に焦るフジ。
まあ、わさびで歯ブラシはさすがにきつそう。
というか今ここにわさびと歯ブラシあるのかな。

「キヨさん！ないです！！」

すぐさまスタッフがステージ裏から声をかける。
やっぱりないのね。

「あ、無いの？w無いってww」
「まああったら準備よすぎだけどなww」
「やめよ、よしやめよう。もう終わりも近づいてるし終わろう」

必死で説得するフジだがキヨは納得いかないのか何かを考えている。
観客はフジの終わりという言葉に反応して、えーとかまだ終わらないでーなんて聞こえてくる。

「あ、じゃあ、次お前それ動画撮って載せろ。罰ゲームそれでいいわw」
「はっ！？」
「もちろん実写な」

キヨがにやりと言うと、観客からは歓声のような悲鳴のような声があがる。
こーすけとヒラはそれを見て爆笑し、フジはとことん落ち込む。
そしてキヨが満足そうにしたところでステージの終了を告げる司会者が現れた。

そんなこんなで無事ステージは終了し、私の仕事も終わった。
帰り際に華蓮の彼氏に挨拶を済ませ、出口に向かって歩いていると最俺ファンであろう子たちとすれ違った。

「今日のフジまじやばくなかった！？」
「ねー！ほんとかわいかった～！でもキヨも相変わらずかっこよくてやばい好き」
「ヒラは安定の可愛さだよね～」
「こーすけとキヨの絡みとか最高だったわ～」

わお。これが今時JKの会話なのだろうか。
それにしてもやはりすごい人気。
すれ違うたびに最俺メンバー誰かしらの名前が聞こえてくる。
それがなぜか気に入らなくて、もやもやして、イヤホンを耳に突っ込み曲のボリュームをあげて外に出た。