第2話 ページ2
「はいはい？」
「はいはいじゃないよ！！もー返信遅いし！！！あ、バイトだった？」
いつものテンションで電話に出た瞬間叫ぶ華蓮。
予想外の大きさに私は思わず携帯を耳から遠ざけ、話し終わったかな？と思った頃に再度耳に当て返事をした。
「すまんすまんｗｗｗいや違う、キヨ見てた。」
「やっぱりな！！！だろうと思ったわ！！！で、今日なんだけど夜ご飯でも食べ行こ。」
「いいけど...なに急に？」
「いいから！じゃあ18時にいつものファミレスね！！」
じゃあ仕事に戻る！そういうと華蓮はすぐに電話を切った。
「なんなんだあいつは,,,」
呆れながらもAは支度を始めた。
ふと時計を見ると15時45分。
「やば...もうこんな時間か...夢中になりすぎたな...」
急いで着替えて一階のリビングへと駆け降りる。
洗濯と洗い物を済ませ、ふかふかのソファに寝転がり携帯を充電器に繋ぐと、最近ハマっているアプリのゲームを立ち上げた。
聞きなれた音楽とともに、見慣れたキャラクターが現れる。
「あーイベントやってんのか...ガチャ引こうかなあ...」
一回だけ...！と呟くと画面の“ガチャを引く”といういかにも目立つように加工された文字をタップする。
「こい...こい...こ..あ゛あ゛〜！！！！くっそ！！！！ゴミじゃねえか！！！！あーもー引かなきゃよかった最悪」
Aは一人ソファの上で叫ぶと画面の“クエスト”というもじをタップし、進め始めた。
数分が経ち、玄関の開く音と同時に「ただいま〜」という声が聞こえてきた。
母が仕事から帰ってきたのだ。
Aは画面を見つめ、指を動かしたまま「おかえり〜」とだけ返す。
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作者名：白虎 | 作成日時：2016年2月12日 3時
